angel lamp7
お茶の支度を終え、マスター達の到着を待った。
彼女は、窓辺に椅子を持っていって、外を眺めている。
「あの馬車がそうかしら?ああ、曲がっていってしまったわ。湖の方に行くのね、きっと」
「ええ、そうでしょうね」
彼女は、僕の方を向くと、
「早く会いたいでしょう?」
「・・・・・・はい」
彼女の顔から視線を逸らして、答えた。
本当は、会いたくない。
マスター達が、こなければいい。
このまま、彼女と二人だけでいたいのに。
「・・・ごめんなさい、カイト」
微かな囁き声に、驚いて彼女を見る。
彼女は、窓の外に視線を向けて、
「あの馬車が、そうかしら?こちらに向かっているみたい」
その言葉に、僕も窓の外を見た。
遠くに見えた馬車が、徐々に大きさをまして、近づいてくる。
湖へと向かう曲がり角を通り過ぎ、まっすぐ走ってきた。
「行きましょう?お出迎えしないと」
彼女が立ち上がるのに手を貸して、一緒に玄関へと向かう。
馬車に乗っているのが、マスターでないことを祈りながら。
作品名:angel lamp7 作家名:シャオ