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取り置きアクセント

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程よい微風が吹く屋上を、面白い噂がそこかしこで囁かれているので検めに訪れた。
校舎と同じく所々剥げた塗装に何の変哲のない趣きを一見感じるのだが、はて何処に隠れているのだろうか、そもそも自分に不思議さんは会ってくれるだろうか。
入口の少し重い扉から離れて柵付近へとにじり寄る。柵は相当痛んでおり、これなら出来そうに思っちゃうよねと一人呟く。だが自分の任期に事を起こされると、別に意に構わないけれど何となしに後味がわるい。対処法などあるのだろうか。塩でも設置するとか。
ふと顔を上げると先までの思考は杞憂となっていた。
何でもないような顔をして、柵から数歩離れた宙をぶらりと歩いているからである。誘う風に優雅な空中散歩で、事実爽やかな笑みで此方を見て手を差し伸べてきた。
「あの世ってどんな処かな、君はどう思う?」
「今は偶の興味を強く惹くことが楽しみなので、そういったことを思索する暇がありませんからね。どうなんでしょう」
ご自分で確かめては如何ですかと成仏をさりげなくオススメする。肩を軽くすくめられる。
「それもいいけど、俺、幽霊じゃないからねえ」
「そうなんですか。てっきり飛び降り自殺をそそのかす、さ迷ってる方向ものかと思ってました」
「幽霊だと思ってた奴に、そんな普通に返事したの?へんなの。名前、教えてよ。俺は折原臨也っていうんだけど」
美しい造作が、美しい所作で微笑む。

これが臨也さんとの初対面。
作品名:取り置きアクセント 作家名:じゃく