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Summer magic

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プロイセンがちらちらとこちらを見てはまた目を逸らす。その耳が真っ赤に染まっていて、ようやくこの袋の中身を理解した。今日の私の格好はノースリーブの大きく胸元の開いた白のワンピース。上から見れば覗けてしまうのだろうか…やはり。
熱くなっていく頬を誤魔化すように慌てて紙袋の口を開けると、中にはあの先ほど人形に着せられていたニットのカーディガンが入っていた。


…可愛い。

こいつが私のために買ってくれたそれは、ショーウィンドウに飾られているそれよりずっとずっと可愛かった。


「…ば、ばかじゃないの!?こんなのこの炎天下で着れるわけないでしょっ!」


でてきてしまう憎まれ口は止まらない。お礼なんて言えっこない。言ったら何だか妙な空気に変わってしまう気がして絶対に言えやしない。


「あんまりそういう恰好すんじゃねぇ…」


プロイセンは私の言葉に怒るでも不快な顔をするわけでもなく、絞り出すような声で小さくそう呟くとその赤くなった顔を隠すようにうつむいた。


「…っ」


お願いだからばれないで。この赤い顔を見られたが最後、逃げられない気がするから。どうか、こっちを見ないで…




…私だけに優しい馬鹿な奴。


作品名:Summer magic 作家名:もいっこ