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傍迷惑なひたむき

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03.5


※翌日の話


「やあ帝人くん。昨日シズちゃん来たんだって?災難だったね」
「ちょ・・臨也さん・・あなたまで…関係者以外立ち入り禁止ですよ」
「何言ってるの?俺は此処の卒業生だよ?」
「えっ?」
「あれ?シズちゃんもそうなんだけど。昨日帝人くん、それシズちゃんに言ったわけ?」
「…はい…」
「へえ。で、なんて?」
「…いや、あの…すまん…って」
「っく!!ええ、はは、あっはは、うっそぉ!なに、てことはシズちゃん自分が卒業生ってことも忘れたわけ?」
「それは知りませんけど…」
「あのね、今はここ来良っていうでしょ?俺達が通ってたころは来神って名前でねえ」
「え、そうなんですか?」
「うん。でも普通母校くらいは覚えてるよねえ…まさか何も考えてなかったとか・・あーありえるなあ…うーん。帝人くんのおかげでイイネタができた。ありがとね」
「それものすごく静雄さんに迷惑かけてますよね。というか臨也さん、何しに来たんですか?」
「帝人くんをデートにお誘いに」
「断固拒否します」
「つれないなあ。味噌だれ焼き鳥も付けてあげよう」
「うっ」
「いやあ、最近食べてないでしょ」
「っぐう…」


「帝人ぉ、おまえ静雄さんがまた迎えに…っ、臨也さん!?」
「紀田くん」
「おや」

「いィィざぁああああやァァア!!!!てめえまたこいつにちょっかいかけやがってさっさと死にやがれェエエエ!!!!」
「うおっ黒板が飛んでくる!帝人、こっち!」
「味噌だれ・・」


「シズちゃん、いい話聞いちゃった。自分の母校すら忘れたんだって?」
「ァア?!」
「うっわ超悪い顔。昨日の話。ほーら関係者以外は立ち入り禁止でしょー?さっさと出て行きなよ、ね、えっ!」
「うっせぇーなァ!俺ぁ、此処の卒業生だろぉがああ!!」
「昨日のシズちゃんは一体どうしたっていうのさあ!あっははは!!」

「あれー静雄さん昨日は素直にすまんって言ってたよなあ…」
「・・でも臨也さんと一緒かあ・・うーん」
「おーい、帝人くーん。聞こえてるかあ?」


※昨日の平和島静雄、真相

竜ヶ峰の背中に隠れるガキが無性に腹立たしかった。苛ついた。そいつの背中に隠れるとかなんなんだ?お前何してんだ?てめェ男だろうが、恥ずかしくねえのか?ヒキ、と青筋が立つのが分かったが竜ヶ峰の前なのかなんなのか、怒ってるくせして俺は平静を保てていた。


これはとてつもなくすごいことだ。こんなすごいことをあっさりできるヤツは、やたら細っこいし、白い。新羅が言ってたこともうなずける。確かにころっと些細なことで死んじまいそう。例えば横からいきなりトラックが目掛けて突っ込んできたりだとか、マンホールが空いてたりだとか。経験した中でもかなりの危険がある。

そんな危険に触れただけでも、きっと竜ヶ峰は死んでしまうに違いない。それはいただけないし、もちろん自分が嫌だった。守れるのなら、守ってみせたい。守りたい。決意した意志は強い。なら守らなければ。もしかしてごろつき共が教室にいるこいつを襲ってくるかも。だめだ。どうしよう。襲われてたら。不甲斐ないのは俺だ。
きっと、トムさんにも怒られる。

「あ、あの、はい。帰ります。すみません。今出ます。あと静雄さん、……」

竜ヶ峰がこちらを見ている。
あ、考え事してて気づかなかった。あーそうか、もう帰るか。それはよかった。しっかしなんで、困った顔をしてるんだ。あれ、今日は一応こいつに会うから煙草は吹かしてねえ筈なんだが。匂いが付いてたのか?

「すまん」

そう言うと竜ヶ峰が、い、いいえ…とほっとしたように言った。よかった。許してもらえて。そうだな、もうちょっと匂いには気をつけることにしよう。こいつが…あーなんだったか…なんか、重い病気…あったよな。それにかかったら、すっげぇ嫌だ。



※翌日治療中、話を聞き何かを悟った岸谷新羅

「……あー…ええと」
「あ?」
「せめて帝人くんの話くらいはちゃんと聞いてあげようか、静雄」
「なに言ってんだ、お前」
「なにせ帝人くんからのクレームがうわなにをするセルティいきなりそんなあっ好きだよセルティー!!!」
『何でもないんだ。帝人君を守るのもいいが、ほどほどにしておけよ』
「…?」

作品名:傍迷惑なひたむき 作家名:高良