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それすらも、愛しき日々。

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 男モノなら見たくもないほど見慣れてる。
 けどそれは……お、女ものだったんだ――――ッッッ!
 ぎゃー!やめてくれーッ!確かにそっちのことには興味全開のお年頃だけど、俺は犯罪者にはなりたくないんだッッ!
 後ずさる。
 何かにぶつかって、腰が抜けた。
「なーにやってんの?」
 ……中西先輩だった。
 よりにもよって何でこの人が!!
 同じくしゃがみこんだ体勢で、俺の肩越しにブツを見て
 ニヤーっと笑う。
「彼女の?自分の?」
 俺の!?
 そんな訳あるかぁッ!
「違いますっ!」
「ふーん」
 俺の背中を支えた手を肩まで上げて、ぐっとつかむ。
 はわわわわ。何でこの人はこんなに顔を近づけて喋るんだ!?
「で…履くの?被るの?」
「履かないし被りません!忘れ物っすよ!」
「あ、そう。じゃあ持ち主に返さないとね」
 あっさり立ち上がり、中西先輩は、その…パっ…パン…ツ…を平然と拾い上げた!
 しかも伸ばし始めた!!
 何てことするんだこの人はぁッッ!
「けっこう高いやつだから、さぞかし悔んでいることでしょう」
 誰!?誰が悔やんでるんだ!?落とした人!?拾った人!?
 ていうか何で高いやつだって分かるの!?
 ぎゃあぁッッ、さらにびよーんと伸ばしてる!!
 やめろっやめてくれーっっ!
「お。純情だねぇ。中身が入ってるわけでもないのに」
「ななななかみッッ!?」
「ほーれ。ほーれ」
 びよーん。
 びよよーん。
「や…っやめ……ッ」
「可愛いじゃん。真っ赤になっちゃって」
 さらに追い詰められる俺。
 中西先輩はパンツを持って迫ってくる。
 この人、変態か!?
「……試しに被ってみる……?」
「――――……ッッ」
「まぁ遠慮せずに。ほら…」
 ぎゃ――――――――――!!!!!!!!!!
 絶体絶命のピンチに乾いた悲鳴をあげる。
 中西先輩が顔の方にぐいぐい押し付けてくるそれを、俺は無我夢中に押し止めた。
 ガード!ガード!!ガード!!!
 たとえこの人にキスされそうになってもこんな必死にはガードしないんじゃないかと思うくらい、ガード!!
 何で俺がこんなめにあうんだ!?
 確か俺は洗濯ものを片付けようとここまで来ただけなのに…!
 何で、先輩にパンツを被せられそうになってんだ!?
 ……けれど天は決して俺を見放さなかった。

「何してんですか…」
 至極冷静な声。