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てるてるライナ



(シオンとライナ)

 緩やかに波打った銀糸の髪を見てふと感じる違和感。
 この王の髪は自分とは違い、寝癖とは無縁のよく梳かれた髪では
なかったか。
 ああ、昨日は邪魔だからといつもよりきつめに編んで纏めていた
のか。パタパタと雨粒が窓を叩く。
 そのじっとりとした空気は室内では酷く淀んでいるような気がす
る。
 抱えた枕に顔を押し付ければ、枕まで湿気を含んでいた。
 洗い立ての寝具の心地よさとは程遠い肌触りだ。枕に顔を押し付
けて、視線だけでシオンの姿を追う。
 普段は癖一つない髪が緩く波打っているというのは不思議なもの
だ。
 手櫛で軽く梳いただけで癖が取れそうな髪だというのに。
 パタパタと雨粒が窓を叩き、べたつく独特の空気。あ、と合点し
たときにはシオンの金燐と目が合っていた。
「そろそろ枕、とりあげていいよな?」
「えー」
 にっこりと笑いながらシオンが手を伸ばす。
 どうやらライナに自分から枕を手放してほしいらしい。
 そんなこと有り得ないのに。一旦自分に枕を与えたのが間違いだ
ったのだ。
 やだ、と全力の抵抗の構え。決して心地良いとはいえない枕に頭
を擦りつける。
 額と枕の間に挟まった髪の毛のせいで頭を動かすと額が少し痛い。
 そのまま顔面をぎゅーっと枕に押し付ければ、ライナの顔はすっ
ぽりと枕に埋まってしまった。
 ライナの髪は湿気だろうがなんだろうか癖が出ない。
 若干いつもよりしっとり重いような感じはするが。
 枕に埋まったまま、瞼の裏に波打つ銀糸が焼き付いて離れない。