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ぶりたにあ・えんじぇう☆★

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セルティは少々面を喰らった。アメリカがこんなにも素直にセルティを受け入れるとは、思わなかったからだ。
驚いた様子が雰囲気で伝わったのだろうか、アメリカがムッと口を尖らせる。

「別に、君に対して苦手だとか怖いだとか、そんな感情なんて持ってないからな。俺には怖いものなんてない。だって俺はヒーローだからね!」

言って、胸を張る様に、一心不乱に画面を覗き込んでいた帝人が顔を上げると、「ひーろーですからね!」、と真似して腰に手を当てて仰け反った。
お揃いの微笑ましい様子に、心が温かくなる。
「ヒーローは俺なんだぞ!」、「こどもにゆずってくださいよぅ。」、「駄目駄目、ヒーローは俺じゃなきゃ勤まんないから。」、などと、感情全開で応酬する様子は、歳の近い子供同士だ。
考え過ぎかな、とセルティが肩の力を抜こうとした時、不意打ちのようにアメリカに言葉を零された。

『君達の親にした事を・・・謝るつもりは、無いよ。』

ポツリと、意図的に英語で漏らされた言葉は、先程とは違い、湿り気を帯びた様に弱々しい声音だった。
こう言った質の声を、セルティは聞いた事がある。彼のかつての兄、イギリスと良く似ていた。

『それが俺には必要だったから、しただけ。俺はこの決断に後悔なんてしてない。でも・・・・・・』

『でも、何だ。』

言い淀んだ彼に、セルティは出来るだけ優しく促してやる。
迷う様に揺れた瞳は、無い筈のセルティの双眸を見据えて、弱々しく、囁いた。

『君達に対してまで、傲慢に振る舞える程、俺も図太くは無かった、って事さ。』

儚い笑みを浮かべ、アメリカはゆるゆると首を横に振る。
黄金色の髪がフルフルと振動に合わせて踊る様を見詰めて、セルティは心の中で盛大に溜息を吐いた。
先程まで悩んでいた自分が馬鹿らしくなり、思い切り大きな子供の背を叩く。
前につんのめり、恨めしげに見上げてくる青年を見降ろして、セルティはPDAを打った。

『そう思うなら、私達が納得出来るだけの成果を出すんだな。』

心意気では、ニカッ、と笑ったつもりだった。何度も言うが、セルティには首が無いので、実際に表情が見れる訳ではない。
しかし、アメリカは拍子抜けた様にポカリと口を開くと、一拍置いて、盛大に笑い出した。
不思議そうにアメリカを見る帝人を撫でた彼はセルティを再び見上げ、ニッ、と口元を吊り上げる。

『当然さ。だって俺は、アメリカだからね!』

不敵な表情は、何よりも自信に溢れ、全ての懸念を吹き飛ばすかのような威力を持っていた。
セルティは肩を竦めると、『まぁ、期待せずに待ってるよ。』、と、憎まれ口のように、PDAに打ちこんだ。



『しかし、こうして見るとジョーンズとカークランドは似てる所があるな。流石は一時期でも兄弟だっただけの事はある。』

『・・・・・・冗談でも止めてくれないかな、ソレ。あと、そう言う事を絶対イギリスの前で言わないでくれよ!』

「あるしゃま、DVDおわっちゃいましたよ。つぎはなんですか?はやくしてくだしゃい!!」