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【ヘタリア】兄さんの子守唄 前篇

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「本当にルートヴィッヒ様はお兄様がお好きでいらっしゃいますわね。国家様がいらっしゃる時は、こんなにはしゃいで笑っていらっしゃる・・。」

「こいつ、いつもはこんなに笑わないのか?」

「はい。いつもはもっと静かでいらっしゃいますよ。大声で泣かれることは一度もありま起きていらしても泣かれないので、気がつかない事もあるくらしですし・・・。
一人でも、静かにご機嫌よくしていらっしゃいますわ。」

「そうか・・・・。ルッツ・・・・!お前はいい子なんだとー!」

はしゃぐギルベルトは、ずっとルートヴィッヒと遊んでいた。

マリーは侍女にお茶を持ってこさせる。

ふと見ると、ルートヴィッヒがギルベルトの腕の中ですやすやと眠っていた。

「お休みになりましたのね。ルートヴィッヒ様。国家様、お茶をいかがですか?
ルートヴィッヒ様はわたくしが抱いておりますので。」

「いや・・・いいよ。俺が抱いてたいんだ。なかなかこいつに会いにこれないしな・・・。」

「お忙しくていらっしゃるから・・・。」

「本当にすまないな。マリー。こんなことを頼んじまってよ。カールにも迷惑かけてよ。」

「いいえ、そんなことはございませんわ・・・。カールも国家様もお忙しいですから・・・。ルートヴィッヒ様のお世話をさせていただいていると、寂しさも忘れますし・・・。」

「すまねえな・・・。お前ら夫婦にはほんとに世話になってばかりでよ。」

「何をおっしゃいます!!国家様!そのようなことは!」

「いや、カールにはいまだに軍に復帰してもらえねえし、マリーには、ルッツをみてもらってるしな・・・。俺はよぉ・・・本当に今の国王と相性が悪いらしくてよ・・・。
ルイ―ゼはともかく、あの城にいると息がつまるんだ・・・。俺の屋敷でも・・・・誰かが・・・ルッツに何するかわからねえしな・・・・。信頼出来るのは、お前らだけなんだ・・・。」

「そんな・・・。」

「でもよ、必ずお前たちにむくいるからよ!待っててくれよな!」

ギルベルトが大きな声をだしたせいか、ルートヴィッヒが起きてむずがり出した。

「お?起こしちまったか?ごめんなルッツ。んーー。眠いか?」

ギルベルトがルートヴィッヒをあやす。

その姿は、軍神とプロイセン兵に崇められている姿とはうってかわって、ごく普通の青年に見える。

マリーは微笑んでしまう。

(この方は、本当に素顔でもなんでも魅力的でいらっしゃること・・・。夫がなんとしてもルートヴィッヒ様をお預かりしたいというはずだわ・・・。)

ぐすぐすとルートヴィッヒが小さく泣き始めた。

「ああ?どうした?ルッツ?ああ、どうすればいいんだ?」

「おむつでしょうか?わたくしが見ますので・・国家様」

「いや、いい。俺がやりたい。」

そう言うとギルベルトがルートヴィッヒのおむつを替え始めた。

そばにいた侍女たちが仰天している。

マリーは何度も見ているが、この国家殿はむつきを自ら替えなさるのだ!

「あれ?なんともねえな・・・。どうした?ルッツ・・・・?悲しいのか?怖いのか?俺がいるからなあ・・・なんにもこわくねえぞ・・・・。」

ルートヴィッヒは、顔を振ってむずがっている。

「お眠いのだと思いますが・・・・。」

「眠いのか・・・じゃあ・・・・さっき聞いた歌・・・歌うか!
マリー、この歌なんていう題なのかあとで教えてくれよな。あと詳しい歌詞もな。カールがお前から聞いたって言ってたぜ。」

「歌・・・でございますか?」


「んー待ってろルッツ!今歌ってやるからなあ!」

 

Weist du wieviel Sterne stehen    星がいくつあるか知ってる?
an dem blauen Himmelszelt?      青い空の上に
Weist du wieviel Wolken gehen     沢山の雲がどうやって漂うか知ってる?
weithin uber alle Welt?         広い世界中に



ギルベルトが歌いだす。

(ああ・・・・・この歌は確か・・・・女学校で歌詞をつけて歌われていたはず・・・・。詩をつけたのは誰だったかしら・・・?)


Gott, der Herr, hat sie gezahlet,   神はそれらすべての数をご存じで
das ihm auch nicht eines fehlet,    おられます
kennt auch dich und hat dich lieb,  神はあなたたちの全てをご存じで
kennt auch dich und hat dich lieb.  あなたたちを愛しておられます




ギルベルトが歌ううちに、ルートヴィッヒはおとなしくなった。

小さな手を握り締めて、ギルベルトに抱かれている。

この兄弟はなんと不思議なこと。

髪や瞳の色合いはまったく違う。

それでも、どこか顔立ちや雰囲気のようなものが似ているのだ。

マリーは、ギルベルトの歌を聞きながら思った。

(「国」という存在は、長く長く生きなければならない・・・。きっとギルベルト様はおさびしかったのだわ・・・・・・。だからルートヴィッヒ様の誕生を誰よりもお喜びになって・・・・・・。


Gott im Himmel hat an allen   神はあなたのすべてを喜び
das ihm auch nicht eines fehlet,  あなたは神の宝  
kennt auch dich und hat dich lieb,  神はあなたたちの全てをご存じで
kennt auch dich und hat dich lieb.  あなたたちを愛しておられます,



ルートヴィッヒが、うとうととし始めた。

「ん。眠くなってきたな。ルッツ・・・・可愛いルッツ・・。」

Gott im Himmel hat an allen    神はあなたのすべてを喜び
seine Lust, sein Wohlgefallen,    あなたは神の宝
Kennt auch dich und hat dich lieb.  神はあなたたちの全てをご存じで
Kennt auch dich und hat dich lieb.  あなたたちを愛しておられます


ルートヴィッヒは完全に眠りについた。

それでもギルベルトはまだ歌っていた。

マリーはルートヴィッヒをギルベルトから受け取ろうとした。

「俺がしばらく抱いてるよ・・・。もう少し・・・な。」

「はい。ではわたくしは、こちらにおりますね。」

マリーは微笑みながら、部屋を後にする。

歌いながら、ギルベルトはルートヴィッヒをベッドに寝かせる。

優しく毛布をかけながら、静かに歌い続ける。



Gott im Himmel hat an allen     神はあなたの全てを喜び
seine Lust, sein Wohlgefallen,    あなたは神の宝
Kennt auch dich und hat dich lieb.  神はあなたたちの全てをご存じで