ドロー
こういうとき、俺はいろんな優越感で体が破裂するんじゃないかってくらい世界中に対しての自分の優位を感じる。レッドみたいなちょっと、というか思いっきりずれた人間をここまでひたむきにさせるのが自分だけって、相当イイ。こんなに物欲がなくて、強さ以外の何にも執着しなくて、どんな女にもいれあげることのなかったこいつが、俺にこうやって必死になる姿って、それだけでもう。俺が与えられる限りの愛をあげたい。俺が絶対に敵わないレッドの、絶対的なものが俺なのだ。神様ありがとう。俺は永遠に苦しいままだけど、永遠に優位に立ったままだ。かわいそうなのはどっちかっていうとレッドだって大人になるにつれわかってきた。俺なんかにひっかかっちゃって。けど俺もレッドを手放す気はないから、せめて、全身全霊の愛をあげたい。レッドだけに。