連5な日々
三十分後……
「はぁ…はぁ……これで…どうだ!!」
フランシスの上に乗りながら丹念に髭を剃っていたアーサーが顔を上げる。
そういう彼の眉毛はすでにない。
「なんか、若く見えるよ? フランシスくん」
「あ、そう? 嬉しいな、お兄さん」
「あ、アーサー……ぶふ…うん…眉毛無くてもカッコいい…あぁっ!! もう無理!!
AHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!」
「笑いすぎだろ! バカぁ!!!」
「あへん…ドンマイある…あはっははははっははは……」
「耀のバカぁ!! なんなんだよ!! そんなに眉毛ないのがおかしいのか!?」
「うん、最高だよ☆ アーサーくん!」
腹筋がよじれそうだ。
このまま写真でも撮って枢軸の面々にも見せてやりたいくらいだ。
「まぁ…お兄さんは何日かしたら生えてくるし…
問題はアーサーだな…」
さっきまで喧嘩していたとは思えない態度で
凹むアーサーの頭を撫でるフランシス。
「お前ら、眉毛ミスって剃ったらどうしてる?
お兄さん、基本的に失敗しないからわかんないんだ」
「オレもわかんないんだぞ…」
「僕も…」
「耀は?」
「描く…とかどうあるか??」
「さすが、マドマァゼル!!」
―――バキっ…
「ちょ、痛いってば!! 耀! やめて!!」
「こうなったら、どっかに買いに行くんだぞ!!」
「あ、お兄さん持ってる!!」
なんで?という白い目でフランシスを見る残り四人。
(おかしくないかい? 耀ならともかくフランシスが持ってるなんて…)
(アルフレッド、後で面貸すよろし)
(女装趣味あったりして…うん、ありえるな)
(あ、その意見サンセーだよ、僕)
「いやいやいや、聞こえてるから」
「…それは置いといて、さっさと描いてやるよろし!
そろそろ、アイデンティティが崩れるあるから」
「おぅ! 任せとけ!」