二年後設定で沖神!
近くにある顔。
それをじっくりと眺める。
浮かんでいる表情は、困惑と羞恥。
けれども、いつもの強気はまだ残っている。
逃げようとはせず、やめろとも言わずに、こちらを見返している。
その眼差しが、なぜか、胸に強く訴えかけてくる。
心が揺れて、身体が動く。
近くて、親密な距離。
それさえも無くしたくなる。
だから、そうする。
神楽は逃げない。抵抗もしない。
その唇に、また、触れる。
さっきしたばかりのこと。
しかし、だからといってなにも感じないわけがない。
心臓が跳ねる。
体温が上昇する。
触れたくて触れて、そうすることでさらに気分が高まり、求める気持ちがいっそう強くなる。
もっと欲しい。
侵入を始める。
神楽がひどく緊張しているのを感じる。
余裕はまったくないだろう。
だが、本当は、自分も余裕なんかない。
しばらくして、少し離れた。
神楽は眼をそらし、うつむいた。
自然に、手が動いた。
そばにある身体を抱き寄せる。
なにも考えていなくて、ただそうしたかったからそうした。
すると。
緊張していた神楽の身体から、ふっと力が抜けた。
その身を預けてくる。
沖田は眼を細めた。
胸にわいてきたものがある。
熱い、というよりも、温かなもの。
なんだ、コレ。
そう思いながら、抱く腕の力を少し強くした。