二年後設定で沖神!
だが。
「……オイオイ、テメーら、なんか忘れてねェか」
不機嫌そうな声が聞こえてきた。
渡流瀬会の者だ。
襲いかかってくる。
もちろん、素直に斬られてなんか、やらない。
沖田は神楽を放し、男のほうを向いた。
抜刀する。
同時に、斬りかかる。
斬りかかってくる刀よりも早く、沖田の刀は相手に到達する。
「なっ……!」
男は息を呑んだ。
その身体が後方に倒れた。
きものが切られ、そこからのぞく胸には刀傷が走っている。ただし、出血しているものの、傷口は浅いはずだ。
「今のは、遊びだ」
沖田は平然と告げる。
「次からは本気で行くぜィ」
そして、笠を脱いで、遠くに放った。
顔が完全にさらされる。
「お、おまえ……!」
沖田の顔を見て、渡流瀬会の者たちは眼を見張った。
「ソーゴ・ドS・オキタ三世か!?」
どうやら正体がバレたらしい。
「あのドSのか!?」
「ドSなのか!?」
あせった様子で、彼らは尋ねてきた。
だから。
「ああ、そうだ」
沖田はきっぱりと認める。
「ドSだ」
不敵に笑った。
渡流瀬会の者たちは青ざめ、凍りついている。
彼らを見渡して、沖田はさらに言う。
「さーて、楽しませてもらおうかィ」
これではどちらが悪者なのか、わからない。