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二年後設定で沖神!

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冷静に考えれば多勢に無勢の状況で、沖田と神楽のほうが分が悪く、渡流瀬会の者たちのほうが有利であるはずだ。
けれども、渡流瀬会の者たちはソーゴ・ドS・オキタ三世という名とその評判を恐れているらしい。
彼らは沖田の存在感に圧倒されたように動けずにいる。
つまり、こちらのほうが有利。
勝てる。
そう沖田は判断する。
だいたい、剣の腕前には自信がある。
皇帝の肩書きがなくても、ひるまずに、立ち向かっていっただろう。
地を蹴った。
素早く、ムダのない動き。
とりあえず一番近くにいる浪人風の男に襲いかかる。
しかし。
「そこまでだー!」
拡声器をとおしているらしい大声が、場に響き渡った。
沖田は刀を振りおろそうとしていたのを、相手に届く寸前で、止めた。
聞き覚えのある声だった。
その声のほうを見る。
見物人たちをかきわけて、数人、近づいてきていた。
彼らは皆、同じ服を着ている。
神聖真選組の制服だ。
もちろん、彼らの顔に見覚えがあった。
沖田の部下たちである。
それを確認すると、沖田は刀を鞘に収めた。
神聖真選組の隊士たちは沖田のまえまで進み出ると、足を止め、うやうやしく頭を下げた。
「騒ぎが起きているとの連絡を受け、駆けつけてまいりました」
「ああ」
沖田はうなずいた。
冷静そのものの様子だ。
格好は着流しに袴ではあるが、神聖真選組の皇帝としての威厳が漂う。
その鋭い眼差しを渡流瀬会の者たちのほうに向ける。
「あの者たちを暴行と公務執行妨害の現行犯として逮捕しろ」
「はい」
「家宅捜索もするように」
「はい」
表情を崩さないまま、沖田は内心ほくそ笑む。
今回のことは家宅捜索をする理由となった。
家宅捜索すれば、おそらく証拠が見つかり、渡流瀬会の悪事を暴けるだろう。
隊士たちは沖田に命じられたとおりのことするために、渡流瀬会の者たちのほうに行く。
だが、ここにやってきた隊士全員ではなかった。
ふたり、残っている。
「……おい」
沖田は低い声で呼びかけた。
「どういうことだ、これは」
残ったふたりの隊士は別々の方向に分かれ、それぞれ沖田の右と左に立ち、横から沖田の腕をしっかりと押さえこんでいる。
作品名:二年後設定で沖神! 作家名:hujio