二年後設定で沖神!
「どうしておまえがここにいる」
「呼ばれたからに決まってるアル」
「呼んだのはスゴ腕のえいりあんはんたーのはずだが?」
「そのスゴ腕のえいりあんはんたーとは私のことよアル」
神楽は胸を張った。
その胸は二年前と比べて、かなり成長している。
露出度の高い衣装からのぞく足もすらりと長くて綺麗だ。
顔も幼さが無くなり、美少女と言っていいぐらいだろう。
だが、そんなことはもちろん口にも顔にも出さない。
沖田は冷静そのものの様子を崩さずにいる。
「では、本当にスゴ腕かどうか見せてもらおう」
神楽のほうを向いたまま右腕をあげ、うしろで大暴れしているえいりあんを親指でさした。
すると。
「その眼、よーく開けて見てるといいネ。驚かせてやるアル」
ニイと神楽は笑った。
そして、額のあたりにあったゴーグルを眼までさげる。
武器である傘を手に、床を蹴った。
あっというまに沖田のほうに近づき、さらにその横を通りすぎた。
沖田は身体ごと、えいりあんのいるほうを向いた。
背中が見える。
遠ざかっていく。
神楽はえいりあんのほうへと駆けていく。
えいりあんを恐れている様子はまったくない。
自分よりもはるかに大きくて、凶暴。
だが、あれは彼女の獲物なのだ。
沖田は眼のまえの光景を眺める。
ついに神楽がえいりあんに飛びかかった。
夜兎族の、素晴らしい跳躍力。
それを見せつけてくる。
身体の大きさがあまりにも違うし、力のほうにも差があるだろう。もちろん、神楽のほうが力では負けるだろう。
しかし、むしろ身体の小ささを活かして、攻撃を避けつつ攻撃して、えいりあんと互角に戦っている。
いや、互角以上だ。
えいりあんが劣勢に立たされている。
神楽のほうが、優勢。
えいりあんの弱点をよく知っているらしく、そこを狙って次々に攻撃している。