二年後設定で沖神!
それから、攻撃を再開する。
暴れるえいりあんの上で、その攻撃をかわしつつ、鋭く刀を振りおろす。
血が沸きたっているように感じる。
剣の天才と言われる自分の性なのか。
それとも、一緒に戦っている者がいるからなのか。
どちらでもいい。
戦いながら、沖田の口角があがる。
皇帝としての冷静な表情は消え去っていた。
やがて。
ふたりそろって、えいりあんの眼に武器を突き刺した。
えいりあんが断末魔らしき声をあげる。
即座に、沖田はえいりあんの身体から飛び降りる。
もちろん、神楽もそうしていた。
えいりあんが地響きをたてながら倒れた。
あれほど暴れていたのに、少しも動かない。
その姿をしばらく眺める。
沖田は刀を鞘に収めた。
そして、神楽のほうを見る。
眼が合う。
「スゴ腕のえいりあんはんたーのスゴさを思い知ったアルか」
その身体には傷がいくつもあり、血も流れている。
だが、誇らしげに胸を張って立っている。
「二年の修行で成長したアル」
そう告げ、さらに言う。
「身体も立派に成長したアル」
ニヤと笑って、いっそう胸を張った。
どうやら昔よりも大きくなった胸を見せつけたいらしい。
そういう事をすれば、むしろ幼く見えてしまう。
だから。
「身体はたしかに成長したようだが、精神年齢は二年前と同じじゃねーかィ」
バカにしたように笑って見せる。
「そんなことないアル!」
神楽はむっとした表情になった。
「この二年のあいだに、恋のひとつやふたつ軽く経験して、男のいつつやむっつ手玉に取ったアル」
それじゃあ計算が合わねェ。
そう思ったが、言わずにおく。
その代わり。
「そーかィ」
沖田は神楽に近づいた。
何気ない様子で、神楽の肩に手を置く。
神楽はきょとんとしている。
その顔をとらえ、自分の顔を寄せる。
一気に距離を詰めた。
唇を奪う。