暦巡り
「うん。じゃあ、次はあれを食べ――」
「あ! あそこ! あそこに金魚すくいがありますよ! 一緒にやりませんか!」
そう言って日本が示した屋台には白い大きな水槽があって、こぽこぽと泡を吹き出すその中では赤くて小さい沢山の金魚たちが泳いでいた。
金魚すくい! これをし忘れたら、お祭りに来た意味ないよね!
「Oh! Goldfish saving! よーし! いっぱい救うんだぞ!」
「せいびんぐ……ですか……?」
「俺はヒーローだからね!」
なぜか、戸惑ったように呟く日本に胸を張って答える。すると、日本はさらに曖昧な微笑になった。どうしてだろう?
店主から受け取ったポイを勢い良く水につける。すると、それはあっという間に破けて大穴が空いてしまった。
むうう、ヒーローはどんな困難にも屈したりしない!
「もう一回なんだぞ!」
END