時の狂ったその島で
クリスマスもハロウィンもイースターもバースデーも。
いつも終わってしまうのが寂しくって眠るのが嫌だった。
そんで、いつも兄さんが言うんだ。
「ライル、明日だって明後日だってその次の日もきっと楽しいはずだぜ。
それともライルはスナイプやテストで良い点取れた時もエイミーが笑ってても楽しくないってのか?」
「そうじゃない・・・そうじゃないけど・・・・・・」
ただ寂しくて仕方なかった。
それだけだったのに・・・
「俺は、ライルと一緒にいるとそれだけで毎日が楽しいんだ。
双子で良かったって思う。・・・・・・ライルは?」
・・・・・・俺も楽しいよ。
でも友達も好きになった女の子すら兄さんのほうが好きって・・・成長するたびに悔しさが溢れて。
寄宿学校に入ったのだって比較されたくなかっただけで・・・誰かに俺を見てほしかっただけで。
ずっと側にいて、嫌いになりたくなかったんだ。
だから・・・だから、
嫌いじゃないんだってもっと早くに伝えたかった。
「ライル・・・」
「っ!?」
いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
全身がバカみたいに震えていて、目の前の兄さんは心配そうに俺を見ている。
「大丈夫か?ライル・・・」
「っ・・・、兄さんっ」
大の大人がとかそんなのは無視して俺は兄さんを抱きしめた。
「ライル・・・?」
「兄さんっ、・・・頼むから、死なないでくれよ・・・。
兄さんもアニューもいなくなって・・・俺は誰のために生きれば・・・・・・死ねばいいのか・・・わからないんだっ!」
「・・・・・・・・・」
無言で背中を優しく撫でる手についに涙が溢れた。
涙なんて家族が死んだ時だって流れやしなかったのに・・・。
「・・・・・・なぁ、頼むから・・・俺を独りにしないでよ・・・兄さん・・・っ」