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リヲ(スランプ中)
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時の狂ったその島で

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「・・・ん?アレルヤ・・・そんなところで何してんだ?」
どうしてだか土を掘っているアレルヤに俺は首をひねる。
「え、なにって・・・、ライルさんこそどうしたんですかっその怪我?」
「あ~、ちょっとな・・・」
笑ったあと、ハレルヤに殴られた俺の頬にはしっかりと青あざが付けられていた。
冷やす物でも探しに盛りに入ってしばらく歩いた所でアレルヤを見つけた。
「えっと・・・、はいどうぞ。これで冷やしてください」
果物を手渡され礼を言って受け取ると頬に当てた。
「・・・あの、もしかしてハレルヤが?」
不安そうに俺を見つめるアレルヤに笑って首を振る。
「転んだんだよ、気にするな。でさアレルヤは何してたんだ?」
「ジャガイモを少し貰って畑にしようかと思ったんだ///
飲んでも大丈夫な水もあったしこれで安心だよ」

永住でもする気かよ!と言いたくて仕方ないが黙っておこう。
前向きなんだか後ろ向きなんだか分からないがアレルヤは前を向いている。
「あ~・・・アレルヤ、みんなでメシでも作らないか?
そりゃ今が大変な時だってのは分かってるがこういう時だからこそ・・・な?」
「・・・ライルさん、優しいですね」
「そうか?」
「ええ。じゃあ僕見つけた食べ物持って戻りますね。湿布も用意しておくから早めに戻ってきてくださいね」
「頼んだぜ」

さて・・・次は刹那か。どこにいるだろうか・・・?
「あ、ライルさん。刹那なら向こうの方ですよ。お魚獲ってくるって言ってました」
にこっと笑顔で教えてくれたアレルヤに一瞬心でも読まれたのかと思ったが、どうということはない。
アレルヤは脳量子波使いだっけ・・・。
「サンキュ」
向こうとアレルヤが指差した方向に向かって俺は歩き出した。




「刹那ー?どこだ刹那ーっ」
海のほうとは聞いていたが刹那が見当たらない。
海の中だとしたら闇雲に探せない。
「・・・しょうがねぇし一旦戻るか・・・?」

そう思った矢先に聞こえた水の跳ねる音に俺はもう一度海を見た。
「ア、アンタ・・・そのままで海に潜ったのかよ・・・?」
「・・・問題ない」
中東あたりの民族衣装はもうずぶ濡れだ。そのかわりに手にした網の中には何匹か魚が見える。
「・・・・・・なんだ?」
海の中から俺の気配に気づいたのか何なのか・・・刹那は昔から勘がいいらしい。
「みんなでメシでも作らないか?」
じっと真っ直ぐに俺を見つめてくるが最初の頃は苦手だったことを思い出した。
心の奥底まで見られてしまいそうなこの赤茶の瞳が。
「明日からまた大変なんだ。今日くらい・・・な?」
「・・・・・・わかった」
あっさりと承諾してくれて呆気に取られたが良しとしよう。
「じゃ戻るか」
あとはティエリアにハレルヤと兄さんか・・・。

俺の顔の怪我のことをきこうとしないのはアレルヤとは違った気遣いなんだろうな・・・。
興味ないだけかもしれねぇけどな。
・・・まだ幼い背中にいつか人類の未来がかかってるなんて・・・思えなかった。
それほどにこの頃の刹那は幼く見える。
「・・・頑張れよ」
「・・・ああ。お前もだライル・ディランディ・・・」
呟きに間髪いれずに返事を返されて俺はまた驚いた。
それこそ、イノベイターになったのは必然だったんじゃと思わせるほどに。



「お帰り。刹那もライルも」
戻ると緑色のエプロン姿の兄さんに出迎えられた。
「ロックオン・・・」
「お、こんなに魚獲ってきたのか?凄いな刹那。後は任せてシャワーでも浴びてこいよ」
兄さんにそう言われた刹那はまた朝のように素直に頷く。
魚を受け取ってから刹那の頭を撫でる兄さんはまるで父親のようで見てて微笑ましいというか複雑な心境だ。
「俺に触れるな!」
「ああ、わるいわるい」
ぺしんと手を払いのける刹那はさしずめ反抗期の子供ってとこか・・・。

「兄さん。いつの間にあんな大きい子供作ったんだよ?」
「おいおい・・・せめてお兄さんにしてくれよ」
冗談を投げて返ってきた言葉に俺は笑い兄さんも笑う。

「ライル・・・」
「ん?」
ひとしきり笑ったあと、兄さんの手が俺の頬に触れる。
「アレルヤに聞いた。・・・転んだんだってな。痛かったろ?」
「ガキじゃないんだ・・・平気さ」
ぺとりと殴られた頬に湿布を貼られその心地よい冷たさに驚いた。
「冷たっ。冷蔵庫の調子治ったのか?」
「まだなんともな・・・。とりあえず袋に入れて水で冷やしてた。そのほうが気持ちいいだろ?」
「・・・・・・あんがと」
「俺は魚捌いてくるからちょっと休んどけよ」
ぽん、と先ほどの刹那のように頭を撫でられる。

そういや兄さんは昔から頭を撫でて元気付かせるのが癖みたいなもんだっけ・・・。
「・・・そういや兄さんって料理できるんだ?」
「まぁな。これでもアレルヤたちに美味いってよく言われてるんだぜ」
「へぇ・・・食べてみたいな」
「ああ。美味いの作ってやるからな」
もう一度俺の頭を撫でてから兄さんは少し離れて魚の下処理を始める。

本当に作れるんだ・・・手捌きを感心してみていたら大事なことを思い出した。
まだティエリアとハレルヤに話をしていない。
ティエリアには兄さんが話をすれば簡単に聞いてくれそうだが・・・思いついたのは俺なのだから自分で話しをしないといけないよな・・・。
「兄さんっ、俺ちょっとティエリアを呼んで来る」
「わかった。・・・困ったことがあったら言えよ?」
「はいはい」