ふざけんなぁ!! 2
大将が、トムが今まで食べていた握り寿司一人前、それに熱燗と緑茶をお盆に載せ、足音もなく、従業員休憩室まで運んでしまう。
慌てて後を追いかけると、青い大きな目をした彼は、畳にちゃぶ台というレトロな場所に座布団を用意すると、優しい顔で微笑んだ。
「録音はサイモンに任せて、あんたはここで臨也にばれないように隠れてろ」
「え、何で?」
「俺もサイモンも、平和島の兄ちゃんには、もっと幸せになって貰いたいって思ってるんだ。彼は本当に、力が有り余りすぎているが、気のいい奴だ。俺は気に入っている」
街の人情が、心に染みた。
作品名:ふざけんなぁ!! 2 作家名:みかる