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雲月 ルカ
雲月 ルカ
novelistID. 17043
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迷惑な感情

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7つ目 「・・・なんで家を知ってるの?」



..........しくじった。
 ..........やらかした。
 
 ここからどうやって誤魔化せばいいのか....。。。


 * * *

 帝人の部屋に敷きっぱなしになっている布団で転がるため、臨也は心軽く帝人の家へ向かっていた。

「帝人ちゃん補充しないと俺、本当に可笑しくなっちゃいそう」

 鼻歌を歌いながら静ちゃんに見つからないように、注意深くも早足で進んでいく。
 まだお昼になるかならないか位の時間帯なので、学生である帝人が帰ってくるまでは4時間くらいあるから、ついでに部屋に設置してある隠しカメラや盗聴器の角度を微妙に調節しないと...
 人によっては4時間もあると思うかもしれないけど、愛しの帝人ちゃんの部屋ですることは大量にあるし、ついつい帰りたくなくなっちゃうから、4時間なんてあっという間にすぎてしまうだろう。
 有意義に過ごすために着くまでの間に、帝人ちゃんの家でのタイムプランをしっかり練っておかないと!

 そんな事を考えながら向かっていると、あっという間に帝人ちゃんのアパートについた。
 いつ見ても、昭和さながらの年代を思わせる物件だ。
 本当にマジで帝人ちゃんをこんなセキュリティーのセの字もないようなところから、俺のマンションに連れてこないと!!

 (そのためにはアレもやって、コレもしないと...)

がちゃ

 静かに鍵を差込み部屋に入り込む。
 部屋に入って空気を肺いっぱいに吸い込むと一気に、帝人ちゃんを感じられて幸せな気分になった。
 そして足は今日一番の目的である布団へ。

コロコロコロコロ

 帝人ちゃんの匂いがして、いいにおい~
 あぁ!俺明日からまた仕事頑張れそう!!

 ...と満喫して転がっていたら想像していなかった効果音と静かな声が響いた。

がちゃ

........ボトッ

 
「......い、臨也....さん....?な、なんで?え?な・・・何??」

「み、帝人ちゃん....どうして...。まだ学校にいる時間じゃ...?」

 玄関が開いて、そこには鞄を落として目を見開いて現状を理解できていない帝人ちゃんが。
 普段まわる俺の口も渇いて、上手く言葉にならなかった。だって、時間はまだ13時を過ぎたあたりで、まだ学校のはずだろう?

「先生の都合で今日は午前中までになって...。臨也さんはなんで家に入ってるんですか?...ってあれ?家教えたことなかったです...よね?なんで家を知ってるんですか...?」

チッ

 教師共め!こういう時に半ドンにしやがって!
 うらみつらみはつらつら出てくるけど、今はそれは後回しだな・・・

 さて、これからこの青ざめてる帝人ちゃんをどうするべきか....

 あぁ...本当にしくじった------


周りに咲き誇ったバラは
 静かにその色を色あせていく---

作品名:迷惑な感情 作家名:雲月 ルカ