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エンドレスラブソング@12/13完結

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幕間 -想い-





こんにちは、今日もいい天気ですね。
こんな日は散歩したいですよねぇ。
あはは、大丈夫です、脱走なんかしませんよ。
したらあの子に怒られちゃいます。
怒ったら怖いんですよー、静雄さんって。
え?わかるって?・・・僕、そんなに怒られてましたっけ。
ああそうだ、静雄さんで想い出したんですけど、お願いがあるんです。
ほら、この前の定期検査で僕のボディの『寿命』というか耐久年数出したじゃないですか。
それで、僕考えたんです。
その残りの命使って、唄わせてもらおうかなって。
・・・・わかってます、そんなの自殺行為にしかならないって。
でもねえ、何千何万体のボーカロイドを見てきた皆さんならわかると思うんですが、僕らボーカロイドにとって唄うことは命であり、生きるということなんです。
僕はもう唄えなくなって、時が経ちすぎました。
皆、唄えない僕を『生かそう』としてくれました。
でも、唄えないボーカロイドは、やっぱり生きることはできないんです。
もちろん長生きできるならそうしたいです。
だって僕、あの子の晴れ姿見てないんです。
結婚式のことですよ!
僕はあの子の保護者ですから、入学式、卒業式、成人式まできたらやっぱり結婚式を見たいのは、保護者心ってやつでしょうか。
・・・何ですか、そんなため息吐いて。
え?鈍い?ちょ、皆してやれやれって首を振らないでくださいよ!
もう、ひどいです。僕だけ置いてけぼりなんて。
・・・・いえ、違いますね。
置いていくのは、僕でしたね。
ねえ、お願いです。
一度だけでいいです。
唄わせてください。
きっと、最後になる、あの子のための唄を。
残った『命』を削ることになっても、僕に最後の唄をどうか。
最後まであの子のために唄って、最期まで傍にいれるのであれば、僕はきっと、ボーカロイドとして最高に幸せです。
ふふ、機械は一途なんですよ。
僕の唄はあの子だけのものなんです。
・・・・壊れたボディは、あの子の選択にゆだねます。
蓄積されたデーターも。
あの子が捨てろというなら、どうか捨ててください。
アンティークとして売り飛ばすなり、スクラップにするなり、どうぞご自由にと。
怒るでしょうか。
・・・・そうですね、きっと哀しみますね。
あの子はすごく繊細で優しい子ですから。
泣いてくれるかなぁ・・・・泣いてほしいな。
馬鹿野郎って、怒ってもいいから、一粒涙を流してくれれば、僕はきっと、






(そう言って、彼は人間のように、あどけなく、微笑んだ)