エンドレスラブソング@12/13完結
後篇 Ⅱ
声は簡単によみがえる。
機械のくせに、俺よりよほど感情豊かな表情も。
どんな時も、いつだって、簡単によみがえるくせに、
(泣いてる子をなぐさめる唄もぜんぶ、ボーカロイドのお仕事です)
閉じていた目を開けたところで、そこにお前はいない。
耳元で聴こえていた声も、泡沫のように消えていく。
(ダメですよタバコは!体にいくないです!!)
(静雄さん、早く彼女作りましょうね!!)
(これだけが精一杯の僕の表現方法なんです)
(だから、静雄さん)
(ヘタッピでもどうか、うたわせてください)
「帝人」
(何ですか、静雄さん)
「・・・みかど」
(静雄さん)
「会いてぇ・・・・」
応える声を思い出せても、応えるお前がここにいないなら、何の意味もないんだ。
作品名:エンドレスラブソング@12/13完結 作家名:いの