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マルナ・シアス
マルナ・シアス
novelistID. 17019
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【東方】東方遊神記14

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「おいっ!そこのお前っ!」
青蛙神は霊夢を指さしながら、大声で怒鳴りつけた。霊夢は面倒くさそうに青蛙神の方をむいた。
「誰よ、このちっこいのは。諏訪子の親戚か何か?またあからさまな恰好【かっこう】してるわね」
「いや・・・まぁ今日来た主な目的に深く係わっている娘なんだけど」
神奈子もまぁこうなるだろうと予測してはいた。まぁ説明しなかったのは自分の責任だし。
「黙って聞いていれば無礼な物言いの数々、矮小【わいしょう】な人間風情が、何様のつもりじゃ。この御方をどなたと心得る。貴様も神に仕えるものならば、他家の神にも敬意をはらわんかっ!」
青蛙神は顔を真っ赤にして腕を振り回しながら捲し立てた
「へぇ・・・妖怪風情が、随分な口の利きようね」
霊夢も今の青蛙神の言葉にカチンときたのか、こめかみをピクピクさせ、懐から数枚の護符を取り出した。しかし、こういう流れになると・・・
「はいはいお約束。もういいから。諏訪子、青を抑え付けといて」
「りょ~か~い」
そう言うが早いが諏訪子は青蛙神を後ろからがっちりと抱きしめた。
「むっ?諏訪子殿、離してください!あの無礼者を教育してやらねば!」
「そんなことされたらとばっちりを食うのは僕たちなんだってば。おとなしくして」
「青さん、霊夢さんは悪い方ではありませんよ。あれはあの方の性格なんです」
今早苗チクっと刺したね・・・おっと。
諏訪子の腕の中でジタバタと暴れる青蛙神を傍目に、神奈子が改めて霊夢に話を始めた。「・・・あの娘が今朝、突然家に現れてね。名前は青蛙神っていうんだけど。話を聞くと、どうも八雲 紫に連れてこられたみたいなんだ。」
「セイアジン?聞いたこと無いわね。どういう字を書くの?」
「青い蛙の神だと。勿論これは要名【かなめ】ではないだろうね」
要名というのは、人外な存在が、一番大切にしている自分の名前のことだ。これはよっぽど親しい間柄の相手にしか教えないもので、存在力の増減の影響が一番大きいのもこの名前である。
今更だが、神奈子と諏訪子に認識されたにも関わらず、青蛙神の存在力が完全回復しない理由はここにある。これと対極をなすのが公名【おおめ】で、これは対外的に使用する通称のようなものだ。青蛙神という名はこちらに当たるものだと神奈子は考えている。因みに神奈子でいうと、要名は八坂 神奈子、公名は建御名方神になる。
「ここに住んでる奴で、要名がどうのって気にしているのはいないと思うけど。それにしても・・・あいつ、また面倒なことを・・・って、ちょっとまちなさいよ、それは有り得ないわ。あいつ、今冬眠中よ。今年の冬はまだ一度も会ってないもの。紫の仕業っていう何か根拠があるの?」
後ろでは、青蛙神が後ろから諏訪子に、前からは早苗に抱きしめられ、まるで罠にかかった動物のようになっている。騒ぐのもやめておとなしくなっていた。
「あぁ。なんでも、彼女が言うには顕界で両端にリボンの付いた空間の亀裂に吸い込まれて、気が付いたら家に倒れてたってことらしいけど」
神奈子はサンドウィッチ状態の三人を見ながら霊夢に説明した。
「あぁ・・・その悪趣味な能力は紫に間違いないわ。ということは、今回は眠っていないってこと?はっ!まさか、また何か異変が起こる前兆でも見つけたのかしら!?」
基本怠け者の霊夢だが、自分に課せられている役割は十分心得ている。異変とあらば、手早く解決しなければという心持はあるのだ。
「そこら辺はあたしにはよく解らないけど。まぁ顕界には目を覆いたくなるような大異変があったみたいだね・・・」
青蛙神の話を思い出すだけで、神である神奈子としては虫唾が走る思いだった。
「大異変?何それ?」
「そのことはまた日を改めて話すよ。今回は、幻想郷の主だった奴らにあの娘を紹介して回ろうと思ってさ。その前にあんたに一言伝えておいた方がいいと思って」
前回の教訓が生かされている。もし霊夢に伝えないでこのツアーを始めていたら、異変と勘違いされて二度目の粛清を受けていただろう。