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【イナズマ】赤いきつねとシングルベッド

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「お前、一応神様なんだろ?神様床に寝かせて俺はベッドなんて落ち着かないじゃん」

ぐいっとベッドに無理やり引き上げて、円堂はベッドの隅に丸まる。
ヒロトはおろおろと毛布を握ったまま落ちつかなげにしていたが、やがて諦めたように一つ息をつくと、

「……守、ね、守」
「……なんだ?」
「ちょっとだけ、目、瞑っててくれる?」
「目?」
「いいから」
「わ、わかったよ」

言われた通り素直に目を閉じると、ふわりと部屋の空気が動いたような気がした。
ちょっとだけ、がいつまでか解らず、取りあえず目を閉じ続けていると、ふさりと頬に柔らかいものが触れる。
思わず目を開けると、そこにいたのは袴姿の少年ではなく、

「うわっ!?」

白い体毛の犬に似た生き物だった。
大きさは中型犬ほどで、ちょん、とベッドに行儀良く座っている。
白い、とはいえ、その輝きは複雑で、光の加減でまるで真珠か絹織物のように色味を変えていた。
見たこともないような美しいグラデーション。
それは翡翠の瞳を細めると、かぱっと口を開き、

「……そんなにまじまじ見ないでよ、恥ずかしいな」
「……ひ……ヒロトか?」
「それ以外誰がいるんだい?」
「……い、いや、そりゃそうだけどさ……」

前置きくらいして欲しい。

「心臓に悪い……」
「あはは、ごめんね」

『戻るところを見られるのは、ご法度なんだよ』と、狐に戻ったヒロトは笑う。
狐なのに、まるで人間のように。

「うわー……すげー……俺、狐見たのは初めて」
「そこらへんの狐と一緒にしないでくれる?これでも俺、気狐なんだよ」
「きこ……?」
「空気の狐って書くんだ。御先稲荷の中じゃまあまだまだ若輩だけどね。これでもちゃんと寄方の位も貰ってるんだから」
「……おさきとうか?よりかた?」
「……ま、追々話してあげる」

そう言うとヒロトはくああ、と欠伸をしてごろりと横になった。
確かに男二人でシングルベッドよりはましかもしれないが、今度はふわふわの感触が気になって眠れない。
何せ、目の前にあるきらきらした綺麗な毛皮は、見るからにつやつやしていて、触り心地も極上に違いないのだ。
触りたくなるのが人情というものだと思う。

「……あのさ、ヒロト」
「なんだい?」
「その、撫でたり、とか、したら、ダメかなーとか……」
「いいよ」