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Rest in peace

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 答えずにいると、ダンテは小さく鼻を鳴らしてから、言葉を繋げる。
 「墓前で誓いを立てるってのもなかなか恥ずかしいもんだよな。俺も昔はそうだったからな」
 「アンタも?」
 意外な言葉に、ネロは思わず訊き返した。墓前で誓いを立てると言う自分の目的を、やはり見透かされていたという点に苛立ちを感じながらも、それ以上にダンテの過去に興味が湧いた。ネロは殆どと言っていいほどダンテの素性を知らない。そんな相手が、自ら自分の過去について話すのだから、興味を引かないはずがなかった。
 「ああ・・・まぁ誰だってそうだろう。それより、」
 ネロの食い付きが意外だったのか、珍しく歯切れ悪く答えて話題を変えようとする。ずるい、とネロは心中で歯軋りしたが、無理に問いただそうとすればダンテはますます口を固く閉ざしてしまうだろう。掴みにくいうえに扱いにくい。ネロは何も言えずにダンテの次の言葉を待った。
 「あのネオンサインは気に入ったか?」
 「ああ、・・・悪くなかったよ。おかげで繁盛してる」
 「そりゃよかった、送った甲斐があるってもんだ」
 「今は経験が必要だからな。俺はまだまだ・・・力が足りないから」
 「・・・そうだな、あのお嬢さんを守るためにも、な」
 言葉こそ茶化すようなものだったが、ダンテは神妙な顔つきで言う。だからネロもそれ以上何も云わずに、小さく頷いた。
作品名:Rest in peace 作家名:柳田吟