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懐かしさはくちびるに溶けて じゃがクラウン

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ドイツがドイツ連邦と呼ばれていた頃。
当時まだ幼かったリヒテンは保護者のオーストリアと共に、ドイツの家で同居していた。
しかし、オーストリアは連邦議会議長国と言う立場から忙しく、リヒテンの世話まで手が回らなかった。
リヒテンの周りには使用人しかおらず、リヒテンは寂しい思いで過ごしていた。
オーストリアに比べて暇だった(と思われる)プロイセンとドイツは、リヒテンの世話役を買って出た。

「よく、上司の目を盗んで、庭で遊んだりしたよな」
「その後、バレて上司にたっぷりと怒られたな…」
「図書室で、お前とリヒちゃんに勉強教えたよな」
「あと、兄さんがよく馬で遠駆けして、三人で野原で遊んだしな」
ドイツとプロイセンはリヒテンと過ごした昔話に花を咲かせた。
「冬には、よく暖炉の前でお前ら二人に本の読み聞かせしたよな」
プロイセンはいとても愛おしそうに、リヒテンの髪を梳いていた。
プロイセンの口調はとても懐かしむ口調だった。
「そうだった。よく、リヒテンは話の途中で眠ってしまっていたな」
ドイツもとても愛おしそうに、リヒテンの頭を撫でた。
口調も、プロイセンと同じだった。
「う~ん………」
リヒテンは少し身じろぎした。
「んじゃ、今日は三人で一緒に寝ようぜ」
プロイセンはいきなり、爆弾発言をした。
「はあっ?!!に、兄さん、い、いきなり何を言い出すんだ!!」
ドイツは慌てふためいた。
「何、驚いてんだよ?
 昔、よく三人で一緒に昼寝したり、同じベッドで寝てたろ?久しぶりにそれやろうぜ!!」
プロイセンには下心も何もなかったのだった。
「あ、ああ、そういう事か…」
ドイツは変な勘違いをしていた事を恥じた。
「俺のベッドでいいだろ?広いしよ」
プロイセンはドイツに提案をした。
プロイセンのベッドは独り寝なのに、何故かキングサイズのベッドなのだ。
「ああ。兄さんはリヒテンを抱えて先に行っててくれ。
 俺もここを片付けたら、すぐに行く」
「おう。じゃ、よっこらせ」
プロイセンはリヒテンを両腕で抱き上げると、リビングを後にした。
ドイツは暖炉の炎(ひ)を消して、リヒテンが敷いていたクッションを元に戻し、火元の安全確認をしっかりしてから、プロイセンの寝室へと向かった。

「リヒテンは?」
ドイツは寝室に入って来た。
「ぐーっすり眠ってる。相変わらず、カワイイ寝顔だよな」
プロイセンは既にベッドに横になっており、リヒテンの右隣を陣取っていた。
「ま、まぁな……」
ドイツは顔を赤くしながら、愛おしげにリヒテンの寝顔を眺めていた。
「そろそろ寝るか…。Gutte Nacht、リヒテン」
ドイツもベッドに入り、リヒテンの左隣を確保し、リヒテンの額にお休みのキスをした。
「ああっ!!ズルいぞ、ヴェスト!俺も!
 Gutte Nacht、リヒちゃん!!」
プロイセンもリヒテンの額にお休みのキスをした。
ドイツはやれやれ…と言った感じで、肩をすくめて、眠りに就いた。

ドイツ・リヒテン・プロイセンの三人は同じ夢を見た。
それはとても懐かしい夢だった。
昔、そんなに遠くない昔、春の野原で、三人仲良く遊んでいる夢だった。