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人外化パラレル詰め合わせ

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首無しの夢と夢喰いと翌朝の修羅場【CP無し】


 セルティは鎧を着て、容器の中に閉じ込められた己の『首』を眺めていた。ただそれだけのことで、ああこれは夢だ、と悟る。

「残念、覚めちゃいましたか」

途端、硝子が砕けるような音と共に夢は崩落する。何もない空間にはここ20年の間に馴染んだ漆黒のライダースーツのセルティと、ヒツジのそれに似た巻角を生やしたバクのような獣のみが取り残された。
「お前は何者だ」
 声帯も発声部位も持たない自分がPDAもなしに話せるとなれば、いよいよこれは夢なのだと思わざるを得なくなる。
「夢喰いです。貴女の夢を食べに来たんですけど、どうやら完全に覚めてしまったようなので、出直します」
半ば混乱しているセルティに頭を下げると、夢喰いは細長い尾を揺らしながら去って行った。
――待て、まだ話は……
 声が出ていないことに気づき、次の瞬間、視界には見慣れた天井。何だ夢か、と時計を見やればまだ起きるには早く、窓の外も薄暗いようだったがどうにも眠る気にはなれず、
――仕方ない、ゲームの続きでもしよう
夢のせいだ、決してゲームがしたいわけじゃない、と誰に聞こえるでもない言い訳をしてゲーム機の電源を入れた。



 翌晩、何故か新羅とどじょうすくいを踊っていた。その違和感に気づいた時、やはり夢だと自覚する。
「だから何で覚めちゃうんですか」
途端にグニャリと空間が捻れて、昨晩と同じく何もない空間にセルティと夢喰いだという獣が残る。
「夢じゃなかったのか!?」
「いえ、夢は夢ですけど」
「そうか、夢なら眠れば目が覚めるな」
「混乱してますね」
しかし彼女が混乱していると知りながら、夢喰いは彼女を置いてどこかへ去ろうとする。そうはさせるか、とセルティは獣の尻尾を掴んだ。
「ぎゃあ!? 何するんですか!?」
「それはこっちの台詞だ! ちゃんと説明しろ!」
「食べられない夢に長居は無用なんです、放して下さい!」
「そうは」

――いくか

 やはり声が出なくなった、夢が覚める。視界には見慣れた天井と、
――!?
横に眠る角と尻尾を生やした見慣れぬ少年。
――マズい、新羅に見られたら……
来るな来るな、と慌てていると、しかし来てしまうもので。
「セルティ、何か騒がしいけど、どうかし――――――、……とりあえず頚動脈でも切れば死ぬかな?」
――ああやっぱり何か勘違いしてる!

セルティ・ストゥルルソン、生まれて(?)初めて修羅場を体験する。



「だから放して下さいって言ったのに」
 布団に包まったままの少年は我関せず、と欠伸をした。
作品名:人外化パラレル詰め合わせ 作家名:NiLi