二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

こらぼでほすと 再会1

INDEX|2ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

 ぐいっと、刹那の腕を、悟空が引っ張ると、すいっと離れた。そして、引っ張られるよ

うに拉致されて行ったので、ロックオンは見送って笑い出した。

「腹減ってんなら、減ってるって言えよ。」

 ここでなら、同年代の友達もいるし、しばらく、刹那もゆっくりできるだろう。組織の

仕事が再開するまで、しばらく預かっているとしようと、ロックオンのほうも、ゆっくり

と拉致された方向に歩き出した。






 
 大きな屋敷の台所で、悟空と刹那に、軽い食事を出している八戒は、その食べっぷりに

微笑んだ。無口な刹那だが、八戒の作る料理は気に入っているらしく、はぐはぐと食べて

くれる。数ヶ月ぶりに逢っても、それは変わらなかった。

 ハムサンドとオムレツとジュースを、悟空と同じ勢いで食べているところを見ると、空

腹だったらしい。

「すいません、八戒さん。」

 刹那から遅れること、十数分で、ロックオンも現れた。ついでに、その背後から、「あ

ーーーー抜け駆けだあーーっっ」 と、叫びつつ、キラも飛び込んでくる。

「はいはい、キラ君、慌てなくてもデザートは、まだですから。ロックオン、座ってくだ

さい。」

「なあ、お母さんや、うちは、いつから子供が三人になったんだ? 」

「悟浄、ヨタを飛ばしている暇があるなら、ロックオンにお茶を出してください。」

 がつがつと食べている悟空たちを観察していた悟浄が、そんなことを言うので、軽く睨

んで、手伝わせた。ジャスミンでいいな? と、相手も慣れたもので、ガラスの茶器で、

花が開くような茶葉に熱湯を注いでいる。

「キラ君、アスラン君たちは? 」

「庭の清掃作業? 僕は、サーバー室にいたから。・・・・ああ、刹那、刹那の軌跡は、

レーダーサイトの記録から抹消しておいたから安心して。」

「・・うん・・・」

「ほら、刹那、もっと食べろ。腹減ってたんだろ? なあ、八戒、お代わり。」

 食欲旺盛な悟空は、ハムサンドを平らげて、皿を持ち上げた。やれやれ、と、八戒は作

業に戻る。どうせ、後からアスランたちも戻ってくるだろうから、まだまだ作らないと足

りない。

 食べるつもりのない悟浄と、ロックオンは、その光景を長閑に観察するぐらいしかない

。手伝いたくても、まだ、ふらふらの状態では、フライパンを持ち上げるのも無理だから

、ロックオンが、「すいません。」 と、恐縮する。

「いや、ロックオン、気にすることはないって。まだ、身体がおかしな具合だろ? 三日

で歩けるだけでも、すごいって医者が言ってたぞ。」

「歩くのは、どうにかなるんですが、腕が、どうも動かなくて。」

「三週間寝たきりだもんなあ。それで、おたくのぼっちゃんは、どうすることになったん

だ? 」

「しばらく預かってくれ、とのことだったんで、居候が一人増えます。」

「いいんじゃねぇーの。うちには、元からサルとキラがいるし・・・・なあ、お母さん、

一人増えても問題ないよな? 」

「まだ、そのネタで引っ張るんですか? 悟浄。」

 ざっと、フライパンをあおって、中のスパゲティが綺麗に舞っている。そういう状況で

八戒は、会話している。一通り、スパゲッティを絡めると、ナポリタンになった様子だ。

それを大皿に盛り上げて、子供たちの前に置いた。

「だって、あなた、どう見ても、お母さんでしょ? その格好。俺は間違ってませーん。



 白いエプロンをしているので、そういうことであるらしい。それを、くくくくく・・・

っと、ロックオンも笑って同意している。

「俺はサルじゃねぇーや、黙れ、エロガッパっ。」

 もぎもぎと、スパゲッティを、一口飲み込んでから、悟空が反論する。遅すぎるだろう

と、悟浄がずっこけつつ、「サルにサルって言って、何が悪い? 」 と、さらに反論し

ている。

 そこへ、ようやく作業を終えたアスランたちも戻ってきた。お疲れ様、と、お茶を出す

と、ハイネとアスランも、どっかりと腰を下ろした。

「悪りぃな、迷惑かけて。」

「いや、たいしたことじゃありませんよ、ロックオン。それより、座ってて大丈夫なんで

すか? 」

「座ってるぐらいはね。・・・・・・刹那、おまえの後始末をしてくれたんだから、おま

えからも謝れっっ。」

 厳しめに、ロックオンが口にすると、それまで、はぐはぐと食べていた刹那も、一応、

立ち上がって、ぺこんと頭だけ下げた。まだ喋るつもりはないらしい。

「いつにも増して無口だな? 刹那。」

「しょうがないよね? びっくりして、それで、ロックオンの無事な姿を見たら、ムカム

カしちゃったんだもんね? 」

 それを見ながら、悟空は笑っているし、キラは、ちょっとだけ年上なので、よしよしと

頭を撫でていたりする。悟空とキラにとっては、刹那は可愛い弟分だ。前回、バイトに来

た時から、何かと世話を焼いている。

「キラ、意味がわからないんだが? 」

「アスランにはわかんなくてもいいよ。僕、何度か、きみの無事な姿を見て、ムカムカし

てさ。フリーダムで攻撃してやろうか、と、思ったもん。」

「俺は、ものすごく嬉しかったけど? 」

「出た、天然たらしっっ。」

「おまえら、痴話喧嘩は部屋でやってくれ。」

 ハイネが、ツッコミをひとつ入れて、ようやく騒ぎが収まった。りんごでも剥きましょ

うか? と、八戒が準備していると、「そういや、俺は、ムカムカはしなかったけど、ム

ラムラはしたな。内蔵はみだしてたおまえ。」 と、悟浄が、とんでもないことを言うの

で、全員が、飲んでいるもの食べているものを喉に詰まらせて、一瞬、静かになった。
 沈黙した空気を破ることができるのは、天然電波の大明神様しかいないが、発言は、や

っぱり電波だ。

「それで、ムラムラするものなの? 僕、それは、ドキドキになるなあ。 」

「どういうことしてんだか・・・・あんたたち。いや、個人の好みだから、いいけどさ。

子供に聞かせるには、キツイんじゃない? 」

 かかかか・・・と、爽やかに笑ってハイネが、鋭く指摘する。いやいや、プレーじゃな

くてさ、と、さらに、悟浄が続けようとしたから、慌てて、銀のプレートで叩いた八戒は

、固まってる刹那とロックオンに、「ヨタ話の延長ですから、信じないでくださいね。」

 と、誤魔化し笑いを向ける。他の面々は、いろいろと知っているから、さらっとスルー

の方向で、余計なことを言いそうな大明神様の口には、アスランが、シャーベットを突っ

込む。

・・・・・どんな生き方してんだろ? この人たち・・・・・・

 自分たちも、大概に普通ではない人生だと思っていたが、『吉祥富貴』のメンバーも、

大幅に普通ではない。なんせ、軍にも所属していないただのホストなのに、「白い悪魔」

 と、過去に呼ばれていた最強のMSパイロットがいるし、それ以外の華々しい戦績が残

っているMSが、ここにはある。そのパイロットは、もちろんというか、なぜか、『吉祥

富貴』のホストだ。 さらに、現役の僧侶もいるし、現役の王子様なんてのも、所属して
作品名:こらぼでほすと 再会1 作家名:篠義