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walkblind

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 文化祭の撤収作業が終わりホームルームまでの時間を待つ間、廊下にいた僕に水谷が小さな紙切れを持ってやってきた。もちろん昼とは違う、腹も足も隠れたまともな格好で。
「5位だったー」
「なにコレ」
「参加賞、食券500円分だって!後で二人で使お」
「2人で500円じゃうどんくらいしか食えないよ」
 えへへ、まぁいいじゃん。水谷はそう言ってコンテストの結果について話した。1年で5位なら結構な成績なんじゃないかと思っていたけれど、どうやらそれは不服らしい。結論としては『かわいいだけじゃだめ』だった。
「俺来年もすることになったらさぁ、こう、笑いも取ってかなきゃ優勝できないと思うんだよね……ゴリエとかどうだろ?でもゴリエ来年までいるかわっかんねーしなぁ……。」
 あれこれ具体例を挙げながら説明する水谷の目が少し輝いている。僕は勝手にしてくれと思う。
 2組では担任がやってきて、他の組より早いホームルームが始まった。そう遅くないうちに1組も始まるだろう。
 ふいに水谷は僕の腕を絡め、後ろに回して隠すように手を握ってきた。少し驚いた僕に明け透けににんまりと微笑み返す。こういう仕草をするときの水谷は本当にかわいい。
 僕もその手を軽く握り返し、水谷とその小さなたくらみを共有する。
「今日さぁ、部活たぶんミーティングだけだろ」
「たぶんね」
「栄口のクラス打ち上げとかある?」
「あるかもしんないけど、なんにも手伝ってないからなぁ。行きづらい。」
「だ、だったらさぁ俺んち寄ってかね?」
「……まぁいいけど」
 その言葉の裏にある熱を読み取った僕は、同じような熱を持っていることを悟られないように素っ気無く答える。それでも水谷は分かりやすく機嫌を変え、とびっきりの笑顔を浮かべた。
「今度は栄口がセーラー着てしよーよ!」
「ほんっとーに懲りない奴だねお前は」
「……。」
作品名:walkblind 作家名:さはら