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こらぼでほすと 再会5

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戒に作ってもらっては意味がない、と、キラは主張したのだ。

「おいおい、おまえら、これは、うちの女房なのっっ。おまえらのかーちゃんじゃないっっ。」

 花束を手にしている八戒を背後から悟浄が抱きしめて、しっしっと、悟空たちを追い払う真似

をしている。本気ではないが、ちょっと本気という態度だ。「悟浄、大人気ない。」 と、ハイ

ネは笑っている。

「『吉祥富貴』では、そうなのっっ。これから、刹那のことも一緒に面倒見てもらうのっっ。」

 キラは、その悟浄に笑いつつ、ツッコミをひとついれる。

「悟浄、別にいいだろ? なんなら、三蔵を貸してやるからさ。」

 もちろん、悟空も黙っていない。

「いらんわっっ、あんな鬼畜坊主。」

 そして、大人気ない大人も、それにノっている。

「いつまでやってるんだ? お茶が冷めるだろうが。」

 ダコスタが、ワゴンで運んできたお茶を指差して、バルトフェルトが大声を張り上げると、そ

うだ、そうだ、と、全員で動き出した。

・・・・まったく・・・いいお仲間ができたもんだ。・・・・・

 その光景に、自分も含まれているのが楽しい、と、ロックオンも笑っている。それを横目にし

て、刹那もちょこっと笑っていた。




 日曜日の夕方に、八戒から晩ご飯の詰められお重を貰って、悟空は家に帰った。寺というのは

、割と静かな空間だ。

 自宅のほうへ戻ったら、奥からテレビの音が聞こえている。ナイター放送らしくて、歓声がわ

ーわーと騒がしい。

「さんぞーただいまぁー」

 玄関から声をかけたが反応はない。テレビの音で聞こえてないのか、と、居間に顔を出したら

、案の定な展開で、悟空は、はふーと息を吐き出した。机の上には、ビールの缶が、ごろごろと

転がっていて、乾きモノのつまみの残りが散らばっているし、ついでに、一升瓶なんかもある。

まあ、おそらく、自堕落な休日を、自分の保護者は過ごしたのだろう。ごろりと横になって、座

布団を半分にした枕で転がっている保護者に笑いが込み上げてくる。

・・・・うちの保護者は、しゃーねぇーなあー・・・・・・

 てきぱきと机の上の残骸を片付けて、風呂に湯を張る。それから、綺麗にした机の上にお重を

載せて、悟空が、げしっっと保護者の背中を蹴った。

「おー早かったなー、野良猫は元気になったか? 」

 いつものことなので、三蔵は怒鳴りもせずに、尋ねてくる。

「うん、元気になった。ロックオンも、マシになった。」

「そら、よかったな。ああ、おまえに、って、トダカさんが、ケーキを置いていったぞ。あれ、

食って、明日、礼を言え。」

「それは、デザートだ。八戒が、晩メシくれたから、食おう。」

「風呂入れるか? 」

「おう。」

「じゃあ、入ってからだ。」

 ぼりぼりと尻を掻きつつ三蔵は風呂場に消える。やっぱり、刹那のママとは大分違うな、と、

悟空は、台所へケーキの確認に行った。

・・・・・でも、俺は、あんなに構われたら窮屈だな・・・・・・

 ケーキを確認しつつ、本日の午後のお茶会を思い出す。自分は入らないと、刹那に自分のケー

キを渡し、それを食べている間に、刹那用の紅茶を冷ましているロックオンは、実は病み上がり

というか、その途中ぐらいの人だったわけで、八戒が気付いて叱っていた。ついつい、手を出し

てしまうのが、クセになっていて・・・と、苦笑するロックオンに、ちょっとだけ羨ましいと思

った。実際、刹那に聞いても、一緒に行動している時は、あんな感じだったらしい。

「何かおかしいのか? 」

 きょとんとしている刹那に、それは過保護というのだ、と、悟空ですら返せなかった。うちは

、ある意味、スパルタというか放任主義だ。自分で出来ることは、自分でしてくれ、だ。まあ、

それでも手が回らないことは、八戒がやってくれるので、適当に甘やかしても貰えている。

・・・・・そうか、そう考えると、俺は両親があるのと一緒か・・・・・・

 羨ましいけど、あんなにべったり甘えたいと思うことはない。刹那は、組織に入ってから、ロ

ックオンが世話をしていたらしいから、あんなふうにされるのが当たり前だと思っている。自分

も三蔵に拾われてから、一緒に暮らしているが、あれほど至れり尽くせりではない。でも、どっ

かで繋がってる気持ちみたいなものはあって、自分は保護者に、今のところは守られている。子

供だから、それでいいと、三蔵は思っている。だから、なるべく保護者のことを手助けしたいと

思っている。たぶん、これが繋がっているところだ。


 また、風呂上がりの一杯とばかりに缶ビールのプルトップを引っ張る保護者に呆れつつも、お

重の中身を箸でつついた。

「それで、八戒にカーネーションを渡したんだ。だから、俺のおかーさん。」

 別荘での一連の騒ぎを報告していたら、ぐふっっと三蔵は、ビールを詰まらせた。げふげふと

咽て、「やめてやれ。」と、のたまう。

「なんで? 」

「そうすると、おまえ、悟浄がパパになるんだぞ?」

「ならねぇーよ。俺の親父は、三蔵だろ? なんで、そこで拗ねるんだよ? 可愛くないから、

それ。」

 ぶちぶちと文句を吐きつつビールを啜っている三蔵に、悟空は、大笑いだ。子供の頃にわから

なかったが、今は、わかることもある。






 月曜日の朝というには、かなり遅い時間に、よろよろとハイネは、地下のラボに現れた。

「使い物にならんな。」

 虎のほうは、ぴんしゃんしている。同じだけ飲んだのに、潰れたのはハイネのほうだ。ちなみ

にダコスタも元気なもので、「水分補給ですよ。」 と、ポカリのペットボトルをハイネに渡し

てくれた。独り者たちは、集って酒盛りに興じてしまったのだ。なんせ、バカっぷる全開なのが

、一組と、どこかしら色気のある女房にメロメロの旦那という一組がいるわけで、飲んでないと

やってられなかった。

「あいつらは、どうしてるんだ? 」

 昨晩、連絡の入ったMS降下の件で、いろいろと準備があるのも、この三人で、残りの二組は

、ここにいない。

「アスランも悟浄も、朝メシを部屋に運んでたから、そういうことだろ? まあ、八戒はさ、い

いと思うんだよ。ここんとこ、せつニャンと、ママニャンのことで、バタバタしてたからさ。で

も、アスランは、働け、じゃないのか? 」

 ハイネも移送のほうで手伝いをしていたから、八戒と悟浄には、お疲れ様の朝寝坊というのが

あってもいいと思う。実質的に、ロックオンの世話の責任者だった。

「だが、キラの暴走を止めるというのは、アスランにしかできないんでな。」

 ははははは・・・と、虎はいつものように、自分で淹れたブレンドを飲んでいる。いろんな意

味で危険なキラのストッパーであるアスランだって、そういう意味では、ご苦労様ではある。

「うーん、まあ、そうだけど。なんか、納得がいかない。」

「明日は、ゆっくり朝寝坊してこい。」

「できればな。あんたも、だろ? 虎さん。」

「俺は、家に帰れば、優しい女房が待ってるから不自由はない。」
作品名:こらぼでほすと 再会5 作家名:篠義