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とあるアーチャーの銀河鉄道 第一章

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しかし、本音はバレバレだ。「戦いたいのだ。」自分の渇きを癒すために。
どうせ、学校で活動するとなるとこいつと何時かは戦うのだから、今の内に叩いて置くか。幸い今のあいつは、「キャスター」の「強化魔法」を受けていないのだから。
「正直に、「俺と闘いたい。」と言えば、「嫌」なんて言わないがな。」
「そう言って貰えると、助かる。」
そして、一足飛びで懐に入ってきた。
とっさに、「干将、莫耶」を作り出し一撃を受けた。
「念のため、隠しておいて正解だったな。」
「暗器術か。」
「そんなところだ。」
「ただの「弓術」ではないな。」
「一応「弓術」なのだが、上に「実戦」と付くからな。接近戦も想定範囲に入っている。」
嘘っぱちである。魔法の存在は隠さねばならないだけに、一般人の理解できる、「暗器術」としておいた。
「武器が卑怯というならしまうが。」
「私を見くびるな。」
一般常識で聞いただけだ。武器無しで勝てるほど弱くない事は体験済みだ。おまけに「葛木宗一郎」の武術は、武術と呼べるものではなく「暗殺術」に分類されるものだ。死角からの攻撃はお手の物だ。
事実、一進一退の攻防が繰り返されていた。まさに「型」にはまらないだけに、動きを先読みするのは難しかった。
心の中で「一度体験しいて良かった。」と思うほどだ。でなければ、縦横無尽に繰り出される拳に翻弄されていただろう。
そして、こちらの動きもかつての闘いをふまえて組み立てていた。一時しのぎかも知れないが、それに気づかないように祈った。
なにぶん、下手な騒ぎは避けなければならないだけに、粛々と進めたいのだから。
戦いは、授業終了のチャイムと人のけはいで幕を降ろした。
「良い戦いだった。暇であればまたお手合わせしたいのだがどうか?」
「貴方が本気で「殺し」に来なければ、喜んで受けましょう。」
「そうか。」
暗殺者として育てられ、感情が無い筈の「葛木宗一郎」が笑ったように思えた。

〜暇している「魔術師」〜

この世界は、自分がいた世界とはまったく「別」と言って良い世界である。その為、自分が作り上げた「学園都市」も存在しなかった。この世界の自分は、殺されたか自分とは別の「何か」に興味を持ってしまったかのどちらかだろう。
しかし、暇である事には変わりなかった。
「アーチャー」がヘマして、名詞をなくしたりすればそれだけで、「因果」の干渉を受けて下手したら、こちらまで被害が出ないとも限らなかった。
「少し気を紛らわすのに、外に出てみるか。」
どうせ、帰ったところでカプセルの中、何日も計測結果待ちなのだから、少し「連中」の居ない所で遊んでも文句はないはずだ。
そして、列車を隠し街に繰り出していった。

「ねえ。凛、聞いた?」
同級生の子が話しかけてきた。
「何が?」
「衛宮君が、「美青年」連れて登校してきたのよ。」
「へ〜」
「うわさじゃ、衛宮君の「親戚」じゃないかって噂よ。」
「親戚と一緒に登校して、何処がおかしいの?」
「何でも、「本家」に跡取りが居ないから、衛宮君を引き取りに来たって聞いたわよ。」
「私の聞いたのは、婚約者の顔を見に来たって聞いたわよ。」
あいつは、B・Lか?
確かに、妹の桜と長い事付き合っているようだが、男と女の話は聞かなかった。確かに怪しいと、思っていただけにそれも良いかなと思った。
枯渇した間桐の家なんて、こんど「聖杯戦争」で潰して、とっとと彼女の人生を歩ませる為、虫が消えてくれるのは大賛成だった。
「ほら、あの人だよ。」
そういって窓の外を指した。
凛は、一目見た途端、彼が何者か、わかった。
「異世界の住人」もしくは、「この世界軸の違う軸の人間」と言ったほうが良かった。
もうすぐ「聖杯戦争」が始まるというのに、何故そんな物が存在するのか、まったく解らなかった。
しかし、これはチャンスだ。
ここからでも解る、魔術師のけはいがあった。あの枯渇した間桐慎二と違い、力強い魔力を持っていることが解った。もうすぐ「聖杯戦争」が始まってしまう。アイツを味方に付ければ勝ち残れるかもしれない。そう思うと脱兎の如く教室を後にした。

「ばれたかな?」
おそらく、「サーバント」でトップクラスの視力を持つ「アーチャー」である。この学校で要注意しなければならない人間は視界なり、魔力で把握していた。そして、その一人「遠坂 凛」がこちらを見て、脱兎の如く教室を出たことが、解った。
「ヤレヤレ、ほんと厄介なお姫様だ。」
「おい、ヤトこんな所で何をしている。」
そのお姫様より先に、士郎がやってきた。
「ここのOBなのでね。懐かしんで、いただけだ。」
「そうか。」
朝より元気がなかった。
「こっちは、貴様と一緒に登校したので質問攻めにあって大変だった。」
それも把握していた。女性陣からB・Lの疑いが掛けられて「大変だな。」思っていた。この歳の女性は、そういうことも含めて、多感なだけに否定しても食いついてくるものである。
それは、そうと尋常じゃないスピードでこちらに向かって来ている「遠坂 凛」の視界にもうすぐ入るだろう。
「午前の授業が終わったら、生徒会室で待っている。それと、これからここに来る、女性に居所は言わないでくれ。」
そう士郎に言うと俺は、人目のない所に行き姿を消した。

朝、アイツと一緒に学校に来たことは不味かった。
いつも、桜と一緒で一部男子から睨まれていたのだが、今度は褐色系美青年である。小さい社会では噂にならない方がおかしかった。
いくら否定しても聞く耳持たずこの怒りをぶつける為にやっと捕まえた「ヤト」を逃がしてしまった。
「アイツ、どうして急に逃げた?」
「?」マークが頭をよぎった。
「ちょっと、そこの男子生徒。」
背後からの声に反射的に返事をした。
「はい?」
「ここに、もう一人誰かになかった?」
ヤトの事だろう。
しかし、何故ヤトは彼女を避けるようにして逃げていったのだろうか?
「いたけど、どうしたの?」
「なんでもないは。」
彼女は悔しそうにキョロキョロしていた。ヤト言っていた女性とは彼女のことだろう。なんとなく、そんな気がした。
「貴方、確か衛宮士郎とか言ったわよね。」
「え?」
生憎、桜、タイガーと部活の女性陣位しか面識が無いのに、何で俺の名前を知っているのだ?
「いいこと。彼にあったら、「放課後、屋上に来なさい。」と伝えなさい。いいわね。」
「うん?」
そう言って彼女は颯爽と去っていった。
いったい何だったのか暫く考えていた。

〜麻婆豆腐と魔術師〜

準備ができる旅行で着替えを準備しない者は、めったにいない。よほどの、所に行く場合以外、大抵準備はしていくものだ。
すぐに調達できる能力を持つ、「弓兵」以外ならそうするだろう。
そして、数十年ぶりに自分の足で地面に立ち歩くという行為に及んでいた。
「長年、水槽の中しか居なかったからな。ある意味たまの「旅行」もよい物だ。」
自分の世界では、最早外に出ただけで大騒ぎになる事が間違いないだけに、「旅行」を満喫していた。
「しかし、解せないな。」
アレースタ・クローリーは早速、この街「冬木市」に張り巡らされた、「魔術」に気がついた。