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こらぼでほすと HGP

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「あのね、HGPっていうのはね。昔、そういうことをした人がいたから、つけたられた名前なんだ。子供を攫って、自分好みに育てて結婚した人がいるんだ。・・・その子供は、何にもわからないままに、その人しかいないところで、その人だけに心を許した。ロックオンさんが、そんなつもりで、刹那やティエリアの世話していたら、ふたりはどう思う? 」
 ふたりは、不思議そうに首を傾げた。別に育てられたつもりはないからだ。質問の意味が不明確だ、と、代表してティエリアが答える。
「・・えっとね・・・きみたちは、とても狭い世界にいただろ? だから、もし、きみたちが、ロックオンさんに、そんな気持ちがあるなら告げられる機会があればいいな、って、僕は思った。」
「気持ち? 」
 刹那は、キラの言うことは、少しわかって、ちょっと笑った。ロックオンが好きか? と、問われたら、「好き。」 と、答えるだろう。だが、キラのように、アスランとべったりしているような気持ちではないと思う。
「そう、気持ち。」
「ロックオンは、俺の保護者だ。それ以外には該当しない。」
「うん、わかった。じゃあ、ティエリアは? 」
 ティエリアは、同じ問いかけに、やっぱり首を傾げる。好きという感情が、いまひとつわからないからだ。
「・・・ロックオンを守るのは、僕の役目だと思っている。これで、答えになっているか? 」
「まあ、半分くらいは。だって、ラクス。」
 ロックオンに、その気があれば、ふたりは受け入れるだろう。後は、ロックオンのほうだ。余計なお節介だとは思うのだが、彼らは、また戦場に戻る。だから、もし、その気持ちがあるなら、ちゃんとはっきりさせて、その関係を築ける時間を、たくさん作ってあげたい、というのが、キラの今回の目的だった。ラクスは、それを打ち明けられて、協力を申し出た。戦争なんてものは、どうなるのか先が見えないものだ。だから、できる時にできることはやっておくほうがいい。それは、ラクスも思う。ロックオンの世話好きなのは、ただの世話好きなのか、他の三人のマイスターたちが好きだからやっているのか、傍目にはよくわからない。特に刹那に対するのは、母親以上の世話をしているし、刹那もロックオンと今だに一緒に寝ている。そこが、キラの気になるところだ。
「では、おふたりに、綿帽子と白無垢で、ロックオンさんの前に出向いてもらいましょう。」
 話しながら、どうにか衣装は着替えた。今度は自力で歩いて貰わなければならないから、軽装になっている。
「そこの森の奥にいるみたいだ。どうする? 歌姫さん。」
 フラガが、ロックオンの居場所をGPSで探索していた。当人は気付いていないが、マイスターたちが履いている履物には、すべて、この装備がされていて、どこにいるのか一発で判明するようになっている。なんせ、最初の頃に、ロックオンが日射病で外で倒れたことがあるので、用心のために、それをつけた。 さらに、当人たちには内密だが、体内に発信機も仕込んである。宇宙空間で行方不明になった場合、それで探索できるようにだ。
「一階は、まだ騒いでいるけど? そっちは? 」
 ハイネは、けらけらとその様子を楽しんでいる。この黒子猫の甘えぶりには、ハイネも微笑ましいを通り越して、邪推している部分があった。
「ハイネとフラガさんで、騒ぎを誘導してください。こちらは、それに乗じて庭へ降ります。」
「了解、せつニャン、ママニャンがおまえを貰いたいって言ったら、すかさが、胸へ飛び込めよ? 」
「ティエリア、もし、ふられたら、おにいさんの胸があるからな。」
 もちろん、フラガも騒ぎを楽しんでいる。そんなに深刻に考えなくても、答えは見えている。ただ、ロックオンの驚く顔と怒鳴り声ぐらいは見せてもらうつもりだ。
「では、まいりましょう。キラ、GPSはお預けします。」
「うん、行こう。刹那、ティエリア。」
 まず、フラガとハイネが階段を駆け下りて、発炎筒を着火する。それから、十二単の一部を肩に担いで、そのまま、騒ぎのほうへ走り出す。それを見送ってから、ゆっくりと、ラクスとキラが、白無垢姿のふたりを介助しつつ階段を下りた。十二単を、騒ぎの中心に投げ込んだ、ハイネとフラガが戻ってきて、車を用意している。それに、四人が乗り込むと、庭の奥へと向かった。別に本気でまくつもりはなかったので、わかるように派手な急発進で走り出す。





・・・俺、そういう気持ちで世話したつもりはないぞ・・・・
 バカ騒ぎに付き合うつもりのないロックオンは、裏庭の奥へ逃げていた。ようやく、体力も回復してきたから、小一時間の距離なら問題なく歩ける。かなりの広大な敷地であるらしく、それだけ歩いても、庭の先は、まだ続いている。やれやれと、木陰に腰を下ろした。あの誤解は頂けないと溜息を吐く。そんなつもりで世話していたと思われたのが、かなり頭にきた。そして、そう説明されたであろう刹那に、そういう目で見られるのが辛いとも思う。本当に、子供で、普通の生活を体験していない刹那の世話係になったから、なるべく、親がしてくれるだろうことをしていただけだ。ティエリアやアレルヤにしても、そうだ。自分だけが知っている家庭とか家族なんてものを、少しでも体験させてやれればいい、と、思っていただけなのだ。

・・・だいたい、俺の好みは年上のグラマラスだってーのっっ。刹那なんて、そういうんじゃ眼中にもねぇーよ・・・・・

 ぶつぶつと呟いて苦笑した。だから、刹那だろうとティエリアだろうとアレルヤであろうと、一緒のベッドに寝ていられるのだ。電波天然の考えることは、よくわからない。自分がそうだから、他人も、と、思ったのかもしれないが、そういうもんじゃないだろうと、キラに説教してやりたい気分だ。

・・・いや、男同士ってのを差別するつもりはねぇーけどさ・・・・

 キラとアスランや、悟浄と八戒のカップルは、こちらが見ていても、しっくりしている。それについて否定するつもりはない。
「ロックオンっっ。」
 小走りに走ってくる足音と、掛け声で顔を上げたら、白い衣装のふたりが、てってこと走ってくるところだった。真っ白な布のようなものを被った刹那とティエリアは歩きづらそうにしている。転ばないか、と、心配して立ち上がって近寄ったら、案の定、ティエリアが目前で、ぽてんとこけた。
「あーあー、そんな格好してるからだぞ? 顔を打たなかったか? ティエリア。」
 よっこらせ、と、抱き起こしたら、白い布がずれて、メガネをかけたティエリアの顔が見えた。刹那のほうも、その布をちょっと引っ張って顔を覗かせた。
「これは、なんの衣装なんだ? 」
 真っ白な衣装は、銀糸で刺繍を施された綺麗なものだった。ただ、形が、ロックオンが今まで見たこともないものだ。
「白無垢というらしい。花嫁衣装だそうだ。」
「はっはなよめ? おまえら、ふたりとも男だぞ? 」
 ティエリアは裾を掃いつつ、そう答える。どうやら、あのHGPとかいうやつの一貫らしい。おまえ、何をノせられてんだよ、と、ロックオンはこめかみに手をやる。
作品名:こらぼでほすと HGP 作家名:篠義