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こらぼでほすと HGP

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「ロックオン、俺にとって、あんたは母親みたいなものだ。それ以上じゃないが、あんたが希望するなら、その先へ進めてもいい。」
「はあ? 」
「ロックオン、僕にとって、あなたは守るべきものだ。その契約の証として、婚姻があるというのなら、僕は、それを受け入れる。」
「おーい、おふたりさん? 正気か? 」
 ていうか、おまえら、婚姻の意味を激しく誤解しているぞ? と、ツッコむしかない。そんなことのために、婚姻というものはない。
「あのな、ふたりとも、よく聞け。俺は、そういうつもりで、おまえらの世話をしていたつもりはない。キラが勝手に誤解しているだけだ。・・・俺が自分の好みに育ててるとしたら、おまえら、失敗作も甚だしいぞ。」
 その答えも、どうなんだよ、と、背後で隠れているハイネが内心でツッコむ。どちらも、かなり特殊な性格だから、ああ、育てるほうが至難の業だとは思う。
「育てなおしてみるか? 」
「刹那、それ、違うから。俺は、おまえの兄貴のつもりだって言っただろ? 」
「僕の性格は直らないが改善は可能だ。」
「ティエリア、改善してくれるなら、協調性をもってくれ。」
 ふたりとも、意味がわかっていないが、自分たちには、ロックオンが必要だとは思っているらしい。世話を焼いて懐かれたということについては、ロックオンも否定はしない。
「じゃあ、ふたりに質問だ。おまえら、俺に欲情するか? 」
「無理。」
「しない。」
「ほら、みろ。欲情してエッチするような関係が婚姻しないといけない場合だ。そうじゃないなら、今のままでいいんだよ。」
 とりあえずのところは家族みたいに、ここで暮らしていればいい。それで、今後、組織に戻った時に、今の関係が維持できれば、それで充分だ。愛しているという感情を、このふたりが持つことになったら、その時は、その時で考えればいいことだ。いや、自分は、そうはならないだろうが、と、ロックオンは苦笑する。
「ロックオンっっ。」
 急停車する車の音とアレルヤの叫び声が同時に届いた。
「おう、アレルヤ。」
 ひとりだけ、除け者になっていたらしいアレルヤも合流してきた。
「どっどうなったの? 刹那もティエリアも、ふたりとも、ロックオンのお嫁さんになるの? 」
「・・・・おまえも正気に戻れ、アレルヤ・・・・」
「だっだってっっ。」
「どっちとも婚姻なんて関係にはならないよ。だいたい、こいつら、恋愛のなんたるかも知らないってーのに。そんな話になるわけないだろ。」
「なら、ティエリアは僕にちょうだいっっ。」
「はあ? 」
「大切にするからっっ。」
 あーなんか、こう間違ったことが、さらに広がってるぞ、と、ロックオンが訂正しようとしたら、先にティエリアが、着物の裾を掴んでいた両手を離して、どすっっとアレルヤのボディに一発、拳を叩き込んだ。
「アレルヤ・ハプティズム、その意見は却下だ。」
「ティエリアっっ。」
「僕には、ロックオンを守るという役目がある。きみのものになる予定はない。」
 いや、それも、もういいから、と、ロックオンは否定しようとしたら、今度はティエリアが、こちらに飛び込んでくる。殴られるのは理不尽だ、と、回避しようとしたら、刹那が、先に、ティエリアの腕を掴まえていた。
「これは、俺のおかんだから、おまえはアレルヤに守られてろ。」
「刹那、それはやめろって言っただろ? 」
「刹那・F・セイエイ、それは、君個人の所有物じゃない。」
「もちろん、そうだが、優先権は俺にある。」
「優先権? そんなもの、いつからできたよ?」
「それ、ずるいよ、刹那。僕だって、ロックオンはお兄さんみたいなものなんだからね。」
 ボディの一発では、アレルヤも倒れたりしない。抗議は、さらに、複雑になってきた。最初の話から、かなりかけ離れているのだが、マイスター三人の議論は、さらにヒートアップの傾向だ。

・・・ていうか、このバカ騒ぎに興じてられるのが、平和ってもんなんだろうな・・・・

 置いてけぼり状態で、自分の所有権なんてものを主張している三人の、それぞれの顔を見て、ロックオンは笑ってしまう。誰も、ロックオンが、自分の好みに育てたなんて思っていないのは、わかったからだ。



「えっと、つまり、おかーさんと子供と弟たちの関係かな? 」
 その騒ぎを隠れてみていたキラは、その関係を、ようやく把握した。
「そうみたいですわね。まあ、あれはあれで、癒し効果抜群なので、私はよろしいです。」
 歌姫様も、納得らしい。
「最初から、徹頭徹尾、親子猫だっただろ? 歌姫さんも、キラも、もうちょっと大人になろうな? 」
 その言葉に、フラガは微笑みつつ、ふたりの頭を撫でている。恋情なんてものがあったら、あんなふうに世話は焼かない。世話焼きが趣味なロックオンが、一番年下の刹那に多分に力を注いでいるだけだ。
「それだけのために、この騒ぎを起こすあんたらのほうが、厄介だぞ? 」
 せっかくの古代衣装も着崩れている悟浄が、呆れたように呟いて座り込む。さすがに十二単では動きがとれなかった八戒は、自ら脱いで薄物と袴だけという艶姿になっているので、さっさと隠したいと思っていたりもする。
「でもね、可能性があるなら・・・って、思ったんだ。」
 キラは、アスランと、こうなるまで紆余曲折いろいろとあった。殺し合いまでやって、一度、和解して、だのに、また、戦って、と、何度もそんなことがあって、ようやく分かり合えた。あの時間を短縮できたら、もっと違う未来があったかもしれない、と、キラは思っている。それに、これから、まだ戦うはずのマイスターたちだからこそ、その時間は早く来て欲しいと思ったのだ。
「そりゃ、おまえらは、派手にやったもんな。」
 その一部始終を知っているフラガは、キラを背中から抱き締めて、その髪にキスなんかしている。過去、アスランと落ち着くまで、フラガがキラの精神安定剤役をしていた名残だ。

・・・・あんた、死にたいんだな?・・・・

 キラ以外が内心でツッコむ瞬間に、ヒルダが鷹の横腹に一発、ボディブローを決めた。自業自得、という言葉が、あっちこっちから浴びせられる。
「そろそろ、謝りましょうか? キラ。」
「そうだね、ラクス。・・・ロックオンさんを傷つけちゃったみたいだから。」
 ただの冗談のつもりだったが、ディアッカからものすごい勢いで怒ったロックオンのことを聞かされた。だから、キラだって悪いとは思っている。
「けどさ、あれ、いつになったら終わるのかな? 」
 ハイネが苦笑しつつ、親指で、戦々恐々の騒ぎになっているマイスター組を指した。なんだか、よくわからない攻防戦になっているのだ。
「アレルヤって、ティエリアのことが欲しいって言ったよね? 」
「おっしゃいましたね。でも、ティエリアが却下してしまいました。」
「・・・んー・・・三角関係? 」
「キッキラくん、それ、違いますから。こういうのを三角関係と言いません。」
作品名:こらぼでほすと HGP 作家名:篠義