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さいきょうひーろー



さいきょうひーろー


「あんぱんまんにきまってるだろ!」
「かめんらいだーのほうがつよいもん!」
「うるとらまんだってば!」
ギャーギャーと騒がしいのは、お迎え待ちの園児達。どうやらどのヒーローが一番強いかについて論議しているらしい。
「こどもだねえ」
なんて覚めた顔して、臨也はいつものごとく帝人先生の隣に居座っている。そんな臨也に、
「臨也君はどのヒーローが一番強いと思う?」
と話を向けてみる帝人先生。
「みかどくんまでそういうこというの?だいたい、かめんらいだーなんてなんにんもいるのに、ひとくくりにしているじてんでだめじゃない」
「ウルトラマンもたくさんいますね」
「どたちんなんかごじらっていうんだよ!でもごじらはかいじゅーであって、けっしてひーろーじゃないでしょ?ひきょうじゃんね!」
「京平君は意外と特撮好きだからなあ」
「しんらはなにきいてもせるてぃえんちょうさいこうしかいわないし!」
「新羅君はろくな大人にならないね」
「それについてはざんねんながらどういせざるをえないよ」
解剖と人体の構造とセルティ園長しか頭に無い新羅は、らいじん幼稚園でもかなりの変わり者である。
そのうち、ヒーロー談義がヒートアップしてきたらしく、その話に正臣先生や静雄まで混ざり始めた。二人が主張するのはそれぞれ、
「正臣先生はー、ぜーったいガンダムだと思うな!カッコイイしでかいし、ガンダニウム合金で丈夫だぜ!」
「おれはどらえもんだとおもう。がんだむでもすもーるらいとでちっちゃくなったらこわくないし」
とのこと。
これは静雄君の言ってることが勝ちかなー?って言うか混ざるな正臣。と帝人先生が心の中で突っ込みを入れたとき、我慢なら無い!とばかりに臨也がすっくと立ち上がると、
「ばっかじゃないの!」
とそのグループに向かって叫んだ。
注目する園児達+正臣先生に向かって、びしっと指差して、臨也曰く。


「あんぱんまんはぬれたらおわりだし、ほんとにすごいのはあのかおをつくるじゃむおじさんじゃん!だいたい、そのじゃむおじさんのちからをもってしても、ばたこさんのかんぺきなこんとろーるがなければあんぱんまんのかつやくはないんだよ!つまりあんぱんまんはちーむわーく!ひとりのちからじゃないからじょがい!」


えええ?
と引きつった帝人先生の前で、言い争っていた園児達は「なるほどー」と納得の顔である。いいのかそれで。っていうか正臣まで納得するな。


「かめんらいだーは、なかまうちでころしあいをするじてんひーろーしっかく!うるとらまんはさんぷんしかちきゅうにいられないからしょうぶつくまえにかえっちゃうでしょ!」


さらに臨也はたたみかけて、次に正臣先生をビシッとゆびさす。


「がんだむはういんぐとしーどがちーとだからひきょう!みーてぃあひきょう!おれはですさいずへるかすたむがまっくろでかっこいいからすき!ごっどがんだむもかっこいい!きらきら!でもろぼっとをつかうのはひきょう、ぱいろっとが、なまみでしょうぶすべき!」


詳しいなおい。
なんて突っ込みは心の中に留めて見守っていると、臨也は最後に静雄を指出した。


「どらえもんはいいやつだからすきこのんでたたかったりしないもん!」
「そういわれてみれば・・・」
「ってそこから否定なのかよ!つーかドラえもんもロボットだからな!」


なんかよく分からん理由だが、臨也が全てのヒーローを否定したっぽい。あっけにとられつつも帝人先生は、首を傾げる。
じゃあ臨也は誰が一番強いと思うのだろう。
ぜーはーと肩で息をつく臨也に、落ち着いて、と帝人先生はその背中を撫で撫でしながら、優しく問いかけた。
「それで、臨也君は誰が一番強いと思うの?」
みんなも興味があるのか、一斉に臨也に注目する。
よくわからないうちに自分の最強ヒーローが否定された子供たちには、新しい最強ヒーローが必要である。
「せいぎのひーろーじゃないとだめだからなー!」
「ろぼっともだめなんだぞ!」
「いちばんつよいひとだぞ!」
園児たちの出す条件を聞いて、ふふんと鼻を鳴らし、臨也は胸をはって答えた。




「みかどくんにきまってるじゃない!」




ええー?
ちょっとまってそれはどういう理由!?キラキラした目で僕を見ないでみんな!
「あの、臨也君?」
「かわいいはせいぎだから、かわいいみかどくんはせいぎ!」
「ちょと、あの」
「ろぼっとじゃないし、おれたちみんなおこったみかどくんにはかなわない!」
「ねえ、それは違うんじゃ」
「したがって、さいきょうのひーろーはみかどくんである!しょうめいおわり!」
「「「おおー!」」」
「納得しないでぇえええ!」
臨也の説明口調に、なぜか納得する園児たち!帝人先生は慌てて否定しようと思ったが、園児たちにキラキラの目でみ上げられてぐっと言葉につまる。否定したらこの目を裏切ることになるのだろうか、そう思うと否定はしないほうが、いたでも僕ヒーローじゃないし!っていうか何をいうのかな臨也君は!
あわあわと言葉につまる帝人先生のよこから肩を組み、正臣先生がニヤニヤと笑う。
「へーぇ、帝人は最強なんだなー!初めて知ったぞぉ、このこのぉ」
「うるさい黙れ」
「ごめんなさい」
「「「「みかどせんせいつよい・・・!」」」」
「え?ちょっとみんな、今のは違うよ!?正臣先生は悪じゃないし、そもそも戦ってないよ!?」
「わかっただろ、みんな。しんのさいきょうはたたかわずしてかつんだよ。つまりせんたいものやろぼっとなんて、みかどくんのあしもとにもおよばないのさ」
「臨也くんはちょっと黙ろうね!?」

作品名:だいすきだいすき! 作家名:夏野