快晴の日
「コウキ、」
「嫌われちゃったみたいですね。…当たり前かも知れないけど、」
「いや…いや、昨日のあれはバトルだから、おまえが気に病むことは…まあこいつらも多少は怖かっただろうけど」
「…他の子は、」
「ああ、ああ…うん。まだ休んでるよ」
何を言っても墓穴を掘るだけだった。俺はジムリーダーだし、コウキはジムに挑戦してきたトレーナーなので俺たちがバトルをするのは当たり前のことだったのだが、まあなんというか、簡単に言えばオーバーキルだ。別に誰も命に別状とかはないんだけど、まだ昨日のダメージから復帰出来ないやつらがいることを考えるとコウキはやっぱりやりすぎてしまったんだろう。ライチュウたちは俺の足元から動こうとしなかった。人懐こくて、ジムのトレーナーや街の人たちともそれなりに遊ぶやつらなんだけど。
「…ごめんなさい」
「ああ、いや、別に。だいじょぶだから」
「でも、」
「……うん、まあ今後は気をつけたほうがいいかもな」
「…はい」
「……あのさ、コウキ」
「はい」
「おまえのポケモンにさ、ちゃんとわからせたほうがいいよ。バトルの道具ってしか思ってるわけじゃないって」
「…………え、」
「おまえに認められたいだけなんだよ。おまえのことがすきなんだ。だからさ、いっかいちゃんと説明しなよ。な。したらみんなやりすぎねえよ」
多分な、と付け加えた瞬間にコウキの目から涙がこぼれるのが見えた。俺には見られたくないのか、赤い帽子で顔を隠して肩を震わせている。慰めるのと知らないふりして帰るのとどっちがいいかな、と考えている間にライチュウたちがコウキに駆け寄っていった。まあ俺よりうまくやるだろうと傍観に徹していると、レントラーは驚いているコウキの足の間に体を押し込んで、無理矢理背に乗せると波打ち際を走り出した。ライチュウがあとから追いついて、コウキの前に飛び乗った。コウキは何が何だかっていう感じでわあわあ騒いでいる。