快晴の日
「でっ、で、デンジさあん!ちょっ、はやい、速いよ!!」
「ハハハ、だいじょぶだいじょぶ」
レントラーが走り回るので、コウキの声は大きくなったり小さくなったりして、それがすごく面白かった。いつの間にか涙は乾いていて、速さにもなれて、レントラーとライチュウの一挙一動にはしゃぐコウキはすっかり普通の子供だった。一人で旅をして、ジムに挑戦するだけじゃなく悪の組織とも戦い、伝説の神々と対峙してきた、その年で背負うにはあまりにもでかい重圧を感じさせる表情は一切なくて、そこにいるのはただポケモンと遊んでいるだけの子供だった。