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リトアニアの法則

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―彼の昨日の高揚振りといったら、それはもう、凄まじいものだった。

「リト! 今の校長の話聞いた?! 俺っ、俺すげぇ楽しみなんだし!! 」

「ポー・・・・・・お願いだから今は静かにしてよ・・・・・・(小声)」

週に一度行われる全校生徒揃っての朝礼の席で、校長であるローマ帝国から発表があったのだ。
広大な面積を誇る農場で花や野菜類だけを扱うのもつまらないので、動物を数種類飼育することにした と。勿論その世話をするのはローマ帝国ではなく生徒たちなのだが、この校長の破天荒な思いつきは今に始まったことではなく、皆一様に受け流すように受け止めた。
これはこの学園における、ちょっとした暗黙のルールでもあるのだ。

そして迎え入れることになったのがヤギにウサギ、そしてポニーだった(本当は巨大な養殖場を建設し魚介類などを育てたかったローマ帝国だが、教頭であるゲルマン帝国に阻止された)。その理由には
まだ農場が整備中だった頃、生徒たちがあそこには何が建つのか と噂し合っていた時分に、そこでポニーを飼うのだと触れ回り譲らなかった『とある生徒』の存在があったことを否定できない。


朝礼が無事に終わったのち、午前の授業に昼休み、そして午後の授業と時は平穏に過ぎていった。が、
常日頃から行動を共にしているポーランドが異様なまでにハイだったために、リトアニアにとっては非常に騒がしい一日となった。

校長によると本日中ではあるものの、定められた下校時間以降に動物たちは連れられてくるとのこと。
すっかり今日のうちにポニーを愛でるつもりになっていた相方は一瞬しょげてしまったが
再び刹那の間に元気を取り戻した。

「そんなら明日の朝、一番に見に行けばいいんだし! 」




―そして、今に至る。



作品名:リトアニアの法則 作家名:イヒ