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こらぼでほすと すとーかー1

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ーよ。」

「あなたが同意したということなら、俺は別に、反対はしません。」

「いや、だから、人の話を聞け。」

「事後は身体が気だるいとか・・・・何かしてほしいことは? 」

 ロックオンの声が聞こえていないティエリアは、ひとりでテンパっている。いろんなこ

とを口走っているので、どうしたもんか? と、ハレルヤのほうを見た。

「なあ、ティエリアに説明するチケットっていうのは、ダメか? 」

「ああ、アレルヤにやらせてみるわ。」

 がくりと頭を垂らして、ゆっくりと顔を上げると髪のわけ目が変わっている。まあ、こ

いつの言うことなら、ティエリアも聞くだろうと思ったら、何事か、うわぁーと叫びつつ

、アレルヤまで抱き付いて来た。

「え? アレルヤ? 」

「大事にするからね、ロックオン。僕、なんでも言うこと聞くからね。」

「はあ? ・・・・・・あー、うん、ありがとな・・・・・」

 さっきの会話をアレルヤも聞いていたのだろう。けど、その言葉は、さらに誤解を招い

ているような気がする。騒ぎが収まらないから、シャワーを浴びてバスタオルを腰に巻い

た姿で刹那まで、やってきて、ロックオンの背後から抱き付いてくる。これは、俺のおか

んだという無言の主張だ。

「ロックオンっっ。あなた、まさか、刹那にまで? 」

「ティエリア、戻って来いよ? 刹那、その格好だと風邪引くから着替えろよ。でっっ、

アレルヤ、なんでもいいから、おまえが事態を収拾しろっっ。」

 前から抱き付いているアレルヤを引き剥がし、とりあえず、刹那を引っ張って着替えさ

せるために逃げ出した。

「ロックオン。」

「んー? 」

「希望があれば付き合う。」

「・・・・刹那さん・・・・」

「本気だ。」

「ごめん、おまえら全員、俺の好みじゃないからっっ。俺、できれば、女性がいい。」

「そうか。」

 この利かん坊が、一番怖いかもしれない。ちゃんとした正しい男女交際なるものも教え

たほうがいいのかな、と、真剣に考える敬老の日って、どーよ? と、脱力した。




 ここのところ、『吉祥富貴』には、ちょっと問題があった。というのも、ナンバーワン

の大明神様に、滅多に類のない強烈なストーカーが張り付いたからだ。

「トダカさん、あれ、また来てる? 」

 自称元カレの鷹あたりになると、心配はする。どうも、キラというのは、そういう粘着

気質に追い駆けられる傾向にあるからだ。なんせ現在のダーリンなアスランも、相当に粘

着気質であるし、プラントの現議長様も、もっとも有名な歌姫様も、キラに対しては粘着

気質を発揮する。あの天然電波が、そういうフェロモンを発しているのかもしれない。

「あからさまに、店の前ではないが、待機はしているみたいだね。」

 カウンターの向こうで、きゅっきゅっとグラスを磨いているトダカも、ふう、と、溜息

を吐く。キラのことを知っているものは、そんなあからさまなことはしない。やれば、ど

こからか報復されるからだ。それらの背景を、まったく知らない一般人というのは厄介で

、毎日のように店の前で出待ち入り待ちしてくるのだ。店には裏口もあるので、キラは、

バッティングしないように、張られていない場所から出入りさせている。

 最初、いきなり店に押しかけられた時は、メンバー制で、オーナーの許可のない人間は

入れないと説明して、お引取り願った。その際に、アスランが、前回、ナンパの小道具に

されていて高額紙幣も叩き返した。しばらくは、それで姿を見せなかったので安心してい

たら、またぞろ現れてしまった。

「なんていうの? ナンバーワン様の実力? ああいうの引き寄せちゃうんだろうね。」

「キラ様ですから。」

「現役ユニオンの軍人さんとなると、無茶できないしな。」

 ただの一般人なら、適当に脅すという手が使える。ここには、そういうのが得意なのも

いるし、顔に凄味があるのもいる。だが、現役の軍人で、キラの正体も知っている相手で

は、ちょっとまずい。キラが、ここにいることは、あまり公けにはしたくないし、マスコ

ミなんぞに、ラクスが経営しているクラブなんてものが、バレたら、大騒ぎになってしま

う。ここに通ってくる女性陣は、それなりの地位に就いているか、かなりの財力があるも

のばかりで、騒ぎになると迷惑がかかる。

 あんまりしつこいので、アスランが、抗議したのだが、「乙女座のセンチメンタリズム

な運命には逆らえない。私とキラは、結ばれる運命だ。」 と、反論されて、ぶちキレそ

うになって慌てて、シンとレイが止めた。ある意味、KYで電波だから、キラとの相性は

いいかもしれない。

「また、しばらく店を閉めるか。」

「解決策にはならないけどな。」

「闇撃ちなら付き合うぜ。」

 ここんとこ、真面目に出勤しているバイトの紅孩児が、控え室から着替えて現れた。

「それができたら、楽なんだけどさ。」

「フラガさんは、面が割れてるから、まずいだろうが、俺なら・・・・」

「面は全員割れてるぞ、紅。」

 喧嘩で済むなら、とっても楽だ。なんせ、肉弾戦でも負け知らずなのが、たくさんいる

わけで、いろいろと裏技の使えるのもいる。叩きのめして捨て台詞でよかったら、一分も

かからない作業だが、そうもいかない。

 やれやれ、どうしたもんかねーと、鷹とトダカが悩んでいるところへ、扉が乱暴に開い

て、ニコルが駆け込んできた。

「たっ助けてっっ、誰かっっ。」

 気弱そうな泣きそうな顔で飛び込んできたニコルに、ハイネは、うっすらと笑った。

「なんの演技だよ? ニコル。」

 この店の人間は、ニコルの性格なんて、お見通しだし、当人も黒いところを隠していな

いから、気弱そうな表情なんてものが、ニコルの演技だとわかっている。だから、誰も心

配しない。

「ほんとなんですよ、ハイネ先輩。今、そこで、すごい勢いで告られちゃって・・・・・

・強引に連れ去られそうになったんだからっっ。」

「おまえを? そういうヤツには人生勉強になっていいだろう。存分に貢がせてやれ。」

「僕も、最初は、そう思ったんですが、あまりに言動がおかしいんで・・・・・怖くなっ

て逃げてきたんです。」

「「「「「はい?」」」」」」

 ニコルの言葉に、そこにいた全員が叫ぶ。あれ? あれじゃないのか? と、全員の脳

裏を掠めているのは、同じ金髪の男だ。代表して、ハイネが確認をとる。

「ニコル、そのナンパやろーってのは、金髪天パーで碧眼で、身長180くらいで、言動

が、電波でKYで、人の話を聞きやがねぇーような軍人タイプか? 」

「その通りです。」

 きっぱりとニコルが証言した。どうやら、焦れてきたらしい。よしよし、と、ハイネと

鷹はアイコンタクトで確認した。鷹がカウンターのスツールから降りて、ニコルの肩に手

を掛けた。

「ニコル、お兄さんからのお願いがあるんだけどな。」

「ああ、フラガさん、お久しぶりです。・・・・なんでしょう? 」