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貴方と君と、ときどきうさぎ

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「は!?ええ!?そ、そんな僕達まだ、こ、心の準備が…!!あ、足だって怪我してて
その─!!」
素早く手を服から引っこ抜くと、帝人君はぎゅう、っと両目を強く瞑って固まっている。真っ赤な顔をして緊張しまくりな愛らしい姿が欲しくて欲しくて堪らないのだがここで手を出したら足の怪我を庇ってやる余裕がなくなる。そんな様子を眺めていたら不審に思ったのか、帝人君はゆっくりと片目を開けてこちらを見た。
「帝人君やーらーしい、エッチな事すると思ったんでしょ」
あ、イラッとしたな。きゅ、と眉間に皺を寄せて俺を睨みつけてくる。
上目遣いって予想以上に破壊力あるな。やばい、可愛い。口にしたらもっと
機嫌損ねるんだろうな、でも怒らせてみたいと思った次の瞬間視界は反転し
畳に押し倒された勢いでぶちゅ、っと唇にキスをされた。ぼわんと白い煙が
辺りを包み込み、胸の上には一匹のうさぎ。
「酷いよ帝人君!うさぎになっちゃうなんて!!いちゃいちゃできないじゃん!!」
「できますよほら、僕は臨也さんに甘えられますから」
寝転んだ俺の胸の上にいるうさぎの帝人君はすりすりと頬を摺り寄せてくる。
「ああ、でもうさぎは圏外なんですっけ」
さっきの可愛さとは反転、声が刺々しい。
「うさぎは寂しいと死んじゃうとか言わないのかなあその口は」
「夢見すぎです臨也さん」
「俺といちゃいちゃしたいんでしょ?」
「僕はこのままでも臨也さんに甘えられますから」
先程と同じ台詞に同じく頬に擦り寄り行為。
「うさぎの姿だと強気だね君」
「そうですか?」
ぱちぱちと青い瞳が俺を見ている。
「戻ったら覚悟しろよ」
「望むところです」
俺は手を伸ばし帝人君の頭を撫でた。