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こらぼでほすと すとーかー4

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「りょーかいっっ。・・・それから、うちのジジイに暴行はいただけないぜ? 次からは、俺が三倍で返すから覚えとけ。」

「怪我はさせちゃいねぇーよ。」

「当たり前だ。」

 それだけの応酬をすると、ずるずると首根っこをひっぱって、超兵は門から出て行く。ここも安全じゃなくなったけど、ある意味、安全? とかロックオンはがっくりする。すぐに傍に人影ができて、子猫二匹が、三蔵をきしゃあーっっと威嚇している。

「おい、どうにかしろ。それから腹が減ったぞ。」

「もうできてますよ。」

「なら、先に食う。」

 何事もなかったかのように、マグナムを懐に仕舞うと、三蔵は中へ消える。あの人、どういう経歴なんだろうな、と、それを見送ったら、今度は、子猫たちが、互いに威嚇しはじめる。どうやら、先程の刹那の問題発言が原因らしい。

「はい、喧嘩しない。」

 パチンと手を叩いて、ふたりの間に割って入り、親猫が仲裁した。



「おい、ビールとツマミ。」

「出勤前に、何言ってんですか? お茶にしといてください。それより、悟空に、何か食わしたほうがいいですよね? 」

「そこいらのモンを勝手に食い漁るから、ほっとけ。・・・・いや、待てよ。今日は、残り物がないのか。」

 いつもなら、朝に作り置いたごはんと味噌汁が残っているから、出勤前に、それを平らげて悟空は出かける。だが、今日は、マイスター組が揃って、一緒に食べたから、綺麗になくなっていた。というわけで、何かを食べさせるとしても、腹に居座る系がいい。

「メシ炊いてやってくれないか? 」

「わかりました。三蔵さんも召し上がりますよね? 」

「俺は、だから、ビールとツマミだ。」

「それは身体によくないですよ。酒を飲む前に、胃壁を保護できるものを食べておくのが得策です。」

 こいつまで、どっかのイノブタと同じこと吐きやがる、と、三蔵は渋い顔だ。まあ、あれだけ、おかんをしているのだから、そういうことになるんだろう。本当に、ほうじ茶と煎餅が卓袱台に置かれたので、しょうがないから、それを齧る。

 で、ふと、思いついたのか、ロックオンが、三蔵の横に膝をついた。

「悟空は大丈夫なんですか? 」

「ああ? 」

「いや、だって、キラで刹那でしょ? そうなると、悟空も対象に入るんじゃないかと・・・・」

 少年が好きだと公言している変態ストーカーだ。確かに、悟空だって対象になる。だが、あれに関しては、心配はない。あの程度のヤツなら、秒殺可能範囲だ。

「うちのサルなら心配いらねぇー。だいたい、アレルヤの一撃程度でヘタるやつなんざ、サルの敵じゃねぇーよ。」

 それより、さっさと準備しろ、と、軽食の準備を急がせる。出勤するまで、それほど時間に余裕は無い。そうだ、そうだと、ロックオンも立ち上がる。

・・・・あれが居ると、なかなか便利だな・・・・・

 午後から掃除をして、三蔵の「おい」とか「あれ」とかいう命令にも、はいはいと用事を片付けてくれるロックオンは、三蔵には有難いお手伝いさんだ。残りのマイスター組は、境内の草むしりしてくれるし、なかなか便利だ。部屋は、余っているから、しばらく居候してもらうという手もあるな、と、三蔵が内心で、そんな算段をしていたら、「たばこはやめたほうがいいですよ? 」 と、ロックオンに注意された。





 変態ストーカーが、何故、軍人でありながら暇なであるか、その辺りは調査された。実際問題として、戦術技術チームに所属している軍人が、ああまで、ストーカーできるはずがないのに、存在するというのは、どっかおかしい。

「それで?」

「有り体に言えば、療養中? ってことらしいんだよ。ハムはな。」

 アスランとキラが泊まっているホテルに報告がてらに現れた鷹とハイネは、調査結果について説明した。先の作戦で大怪我を負ったグラハム・エーカー上級大尉という人間は、ただいま入院加療中と公式には報告されている。まあ、実際は、溜まりに溜まった休暇を消化しているとのことだ。

「ユニオンじゃ顔が売れててゆっくりできないから、こっちまで遠征してきたらしいぞ。」

「まあ、功労者ではあるでしょうね。」

 エクシアとの死闘を繰り広げたことは、噂として広まっている。というのも、頭部のカメラを壊してしまったから記録はないのだ。

「休暇を終わらせる方法ならあるが、とうする? 」

「ハイネ、それ、フリーダムでユニオンを飛び回るとかいうのならナシだぞ? 」

「そこまでしなくてもいいんだ。あいつの機体が、今、ユニオンの技術工廠で修理されてる。それ、こっそり破壊でもしてくると、騒ぎになる。」

「誰がやるんだ? それ。」

「もちろん、俺と鷹さん、そして、キラのサポートで完璧だ。キラが、あそこのエクシアのデータを抹消してくれればいい。後は、侵入して手榴弾のひとつでもプレゼントしてくるさ。」

 それ、こっそりじゃないだろ? と、アスランは苦笑する。ここから離れてもらうなら本国での騒ぎが、一番手っ取り早い。だが、問題はある。

「ストライクはいいが、グフイグナイテッドは海中はダメじゃなかったか? 」

 ハイネの愛機は、海中での活動が出来ない仕様で、それでは、ユニオン本国へ接近が難しい。

「ルージュ借りてくさ。それなら、問題はない。」

「ていうか、それだったら行かなくていいよ、ハイネもムウさんも。カスタムフラッグを適当に壊すのぐらい、ここに居てもできるもん。」 

 ほら、と、そこにある端末のエンターを、ぱこぱこと押すと、キラは、パタンと、その端末を閉じた。

「今、何をしたんだ? キラ。」

「カスタムフラッグが、工廠のクレーンと接触して壊れました。でもね、あれは、グラハムさんのじゃないみたい。グラハムさんのは、こっちに持ってきてるんだね。」

 ぺらぺらとキラは簡単に喋っているのだが、ハイネと鷹は頬を引き攣らせている。小一時間もかからずに、ふたりの三日がかりの成果の上を行くことを喋っているからだ。ついでに、すでに。破壊工作も完了している。

「おまえさ、ちょっとは人の苦労を考えろ。」

「えーーー」

「てか、それなら、そのフラッグをどうにかしろよ、キラ。」

「訓練で飛ぶなら、どうにかしてあげるけど、飛ばないんだもん。」

 まあ、おそらく、あのフラッグへの細工は完了しているのだろう。そこいらは、敢えて聞かないほうが身の為だ。

「あーあー、せっかくマイアミでホリデーを過ごそうと思ったんだけどなあ。」

 破壊工作の後、そのまま休暇を過ごそうと思っていたハイネは残念そうに呟いた。それが本音ではないことに、アスランは気付いて苦笑する。たまには、そういうことで、フェイスの実力を魅せつけたいと思っていたはずだ。

「たぶん、その案は、ラクスに言っても却下されてたぞ? ハイネ。」

「そうかな? 俺としては、楽しそうだと思ったんだけどな。」

「ホストがやることじゃないだろ? 」

「・・・・あーなるほど・・・・」