ミュンヘンの夢
引き続きハイデリヒの部屋。カーテンを開けた窓に満月。
寄り添って座る二人。(あったのか?その間にナニかあったのか?!でもお上品なヅカファンはそんなことは詮索しないのよん)
エドワードが大切そうに銀時計を取り出し、ハイデリヒに見せる。
「これは弟のアルとの通信機なんだ。今となってはもう、ただの時計だけれど」
ハイデリヒ、エドの手を包むように銀時計に触れる。
「開けても?」
頷くエドワード。
ハイデリヒ、銀時計を受け取り、パチリと明ける。(カチカチカチ。音響で時計の音)
ハイデリヒ立ち上がり、時計を月にかざすように掲げる。
そこへ、極細スポットライト。きらめく銀時計(鏡か何か仕込んでおこう)
音響「(ピーガーガガガ)兄さん?兄さんなの?!」(<これだけは譲れない!特別出演釘宮ヴォイス!!)
がばっとハイデリヒの手ごと時計をつかむエドワード。時計に向かって叫ぶ。
「アル?アルなのか?!どこにいる?!」
「ボクはリゼンブールの家だよ!ずっと探してたよ兄さん!どこに、今どこに(ザザザー・・・・・ブツッ)」
「アル!アル!アルフォンス!」
沈黙。
へなへなと座るエドワード。引きずられて座るハイデリヒ。
ハイデリヒの手ごと握った時計を額に当て、背を丸めて震えるエドワード。
「アル、アル・・・・・・」
「今のは・・・」
呆然と月を仰ぐハイデリヒ。
暗転。