lost heven 01
「おっ!大将、今日は遅かったな。」
「ん・・・」
「どうしたの?エドワードくん」
「中尉・・・。いやなんでもないんだ。」
「昨日徹夜して文献でも読みふけてたんだろ?」
「ん・・・まあそんなところだ」
「おや、鋼の・・・今日は遅かったな。」
「あぁ。」
「いつもの所に迎えに行ったが・・・居なかったがどうした?」
「いや、ちょっと出かけてたからな。」
「どこにだ?」
「あんたに言う必要はねえよ。」
そう悪態付いたらいきなり、腕を掴まれた。
「ちょっ・・・なにすんだ!」
「君は昨日の夜どこにいたんだっ!」
「っ・・・!」
大佐の目にオレだけが映ってる・・・ちょっと、ハズいんだけど。
「こたえろ、何処にいたんだ?」
「ちょっと、大佐!大将離してください。」
「そうですよ。大佐」
「中尉達は黙っていろ、鋼のどうなんだ?」
「エン・・・ところ。」
「何といったはっきり言え」
「ホムンクルス達の所だよ!!」
「なぜあの家に居なかった。」
「それはプライバシーだよ」
「それではなぜホムンクルスの所に行ったんだ?」
「居場所がなくなったからだよ。」
「居場所?」
「そうだよ!あの家に居場所なんかなかったんだ!!もうしらねぇ!あんたの事なんか」
「・・・よく話してくれたな」
「えっ・・・。たい・・・さ」
「中尉なぜか、二人の世界になってんっスけど」
「まぁ・・・いいんじゃないかしら。」
って・・・!顔近い顔!キスまでもう数センチ…?!それでも、温かい・・・人の温かさってこんなんだっけ?
「・・・で、この手離してくんねぇか大佐…」
「嫌といったらどうする?」
「さっき自分で言ってたじゃねーかよ。離してくれるって・・」
「言ってないぞ」
「な・・・!」
「大佐ー・・・」
「少しは私達の事も気遣ってください。あと、仕事」
「中尉にハボック居たのか」
「気付かなかったんかい」
「って・・・!大佐っ!ちょっ・・・」
「あぁ、それじゃあ中尉大総統に呼ばれているのでな」
「大佐っ!待てよ、オレも行くのかって話聞けー!」
腕を掴んだまま大総統室近くまで引きずられた。
「はなせっ!」
「君は我儘だな」
まったく・・・なんて、おい!!あんたが勝手に連れて来てんだろ!しかもこれで大総統が来ちまったら何処のラブコメだよ・・・
「やぁ、マスタング君、エドワード君・・・こんな場所でじゃれついて何をしているんだね?」
「・・・っ!大総統閣下?!」
おいおい・・・ホントになんなんだよこれは!どんだけ昔母さんがラジオで聞いてたラブコメの展開だよ!(←つまり、エドも聞いてたということ)
「あなたが呼んだのではなかったでしょうか?大総統閣下。」
「はっはっは。そうだったな、こんなところで立ち話もなんだ、中で話をしよう」
「「はい」」
んな、重要なはな…ってまだはなさねぇしこのエロ大佐っ!っていうか、手握ってんじゃねーよしかも何?「これならばれないだろう」なんてぬかしてやがる!はぁ?恥ずかしいんだよバカ!
「なにか言ったか?エドワードエルリック?」
「いえ・・・なにも」
「それではまず、君たちに行ってもらいたい町の説明をする、そこはイシュバール以前に栄えていた町なのだが、町を管理していた錬金術師が、イシュバールで亡くなってしまってそれからだれも立ち寄って無いためすっかり廃れてしまっているのだよその整備も含めて君たちに行ってもらいたいのだが。」
「はい。」
「大総統閣下、それは私も行かなければ・・・?」
「君は大総統になるためイシュバールの事について学んでるのではなかったかね?あの町もあの戦いに巻き込まれた・・・言えば被害者なのだよ。」
「それでも、どうして私と鋼のなんでしょうか?」
「いやかね?」
「いえ・・・。」
「そもそも君が彼に頼んだのだろう?」
オレを見た大佐が睨んでやがる。はっ!あんたがキスなんかしたからだ。
「それでは行って来い」
「「はい!」」
「きみかね?あの事を言ったのは」
「あぁ、言ったよ。あんなことするからわりぃんだっつーのいきなりキスしやがってよ・・・」
「しかしなぁ・・・それより私との行動は嫌じゃないのか?」
「嫌じゃ・・・ねーよ、ひとりは嫌だからな」
「そうか・・・そういえば、なぜひとりだったのか教えてもらおうか?」
「ん・・・。まぁあんたになら話してもいい、かな?」
「どうしたというのだ?」
「きのうさぁ、オレいつもより早く帰ったんだ・・・それでなウィンリィがアルとベッドで・・・ヒィッ…ク」
「鋼の?泣いてもいいがこんな街中で泣けるのかね?」
「あっ・・・」
「少し場所を移そうか」
「あ・・・あぁ」
それからオレ達は大佐の家で色々話した。事情を説明して凄い泣いた。
「そうだったのか。」
「ふ~・・・なんか話したらすっきりしたよ」
「いい顔してるな。これで明日の出発も平気であろう」
「あ、あのさ!オレさあんたの告白受けようかなって思ったんだ。えっと、ウィンリィに裏切られたからだけじゃねーから!」
「そうか、嬉しいよ鋼の・・・いや、エドワード」
「ん・・・。」
その時のキスは素直に受け入れられた。
ありえない町
「汽車って退屈で嫌いなんだよな~」
「おや、よく旅していたじゃないか…アルフォンス君と」
「てめーふざけんな」
「あ・・あぁすまなかったな」
「・・・でも・さ、今はあんたが居るからつまんなくねぇから」
「そうか、なら私も信じていいか?」
「あんたは裏切らねぇと思うからな」
・・・って!オレはなんて恥ずかしいことを言ってんだよ!
「おや、もうすぐ着きそうだ」
「意外に早かったな・・・」
「私と話してたからだろう?」
「んなわけねぇし!近かっただけだろ」
「おや?ホントかね?」
「エロ大佐!」
「つーか・・・本当にここでいいのか?綺麗過ぎだろ」
「そうだな、イシュバール戦後に何者かがやってきたのか?」
「そうかもな・・・人いっぱいいるっぽいし」
町は人が溢れんばかりだ。こんなところを監視に来てなんになるんだか?
「なぁ、鋼の・・・君はわかるか?」
「ん?なにがだよ。」
「服だよ鋼の、今の服じゃない・・・」
「はぁ?そうか?あんたはオレより年上だけどさ、そこまでじゃないだろ?それに普通じゃねーのか?文化とかあるし」
「いや・・・イシュバールの時より前にセントラルで流行してたものなのだが・・・」
「あ~めんどくせぇ!そういうときは聞くのが一番なんだよ!」
「鋼のっ!ちょっと待て!」
ったく・・・んな訳あるかっつーの!それが正しいならタイムスリップしたようなもんじゃんか!そんな、非科学的なもの信じるか!どうせここは遅れてるだけだろうが・・・、あの人に聞いてみよ!
「すみません、ここを管理している錬金術の博士ってどこにおられますか?」
「・・・!あなた、錬金術師?みんな!錬金術師さんよ」
「え・・・えー?!」
「はじめまして、錬金術師さん。私たちの町へようこそ!ゆっくりしていってね。」
「あ、あぁ・・・ありがとうな。」
「オレの宿に泊っていかないか?安くするよ!」
「じゃあ、オレの宿はタダだ!泊って行きなよ!ぼっちゃん!」
「ん~、ちょっと待っててください。連れのやつもいるんで」
作品名:lost heven 01 作家名:空音