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lost heven 02

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そうなのだ。ロイは大佐という地位で、周りの人々はロイを妬むものが多い、エドとロイが付き合ってるなどと言えばロイの地位が下げられるかもしれない。
「オレとなんかいたら、アンタの地位が下がっ…」
そう言おうとした瞬間、優しげに口付けられた。
「君は心配しなくてもいい。これが嫌なら隣同士は…だめかね?」
「んっはぁ、嫌じゃない。」
そう言うと、ロイは優しくエドを下し二人は隣同士でロイと良く行くレストランに向かった。その途中で中尉にあったけど、優しげに
「レストランでも行くのエドワード君?あと、大佐は仕事やっておいてください」
と告げた。あぁ、いつも通り過ぎ去って行けば行くほど、その束の間がとても愛しく思えてきた。それと同時に、これからは付き合ってることを隠しながら行かなくてはいけないかと思うと悲しい感情すらこみあげてきた。
「エド…?エドワード。」
「ん・・・?」
「どうしたのかね?先ほどから眉間に皺を寄せて考えてるようだが…」
「ん・・・なんでもねぇよ。」
「それなら良いが・・・車には先に乗っててくれないか?」
「ん、わかった。」
と、エドは返事をした・・・が、不思議に思った。
「なんで、一緒に乗らないんだ・・・?」
と思うと、車のガラスをたたく音が聞こえ、エドは振り向いた。そこにいたのはハボック少尉だった。
「大将!」
「ん?なんだよ少尉・・・」
「また、大佐とレストランでも行くのか?」
「そうだけど…」
とエドは怪訝そうに言った。自分には待ち人がいるのである、少尉と話しているよりロイを待ってる方がいいと思ったのである。
「なら、もう少し待ってろって大佐が言ってたぜ」
「・・・え。」
「それ伝えって来いって言われたんでな!」
と、大きな声で言うとハボックは走って行ってしまった。
「ん~・・・もうちょっと待つのか…」
そう、考えたエドは知らぬ間にあくびをしていた。
「寝よ…。」
そして、目を閉じると泣き疲れていたのもあってすぐに眠ってしまった。今は、まだ悲通の最初だということを彼はまだ知らなかったのだ。

「エド、エドワード・・・」
「ん・・・。ロイ…?」
「すまない…待たせてしまったね」
どれくらい時間が過ぎたのかと外を見るともう真っ暗で夜中だということは一目瞭然だ。
「こんな時間まで会議だったのか?」
「まぁ、もうすぐ戦争なんだ・・・それなりに長引く・・・」
エドは、戦争という言葉が出た瞬間とても辛そうな顔をした。その顔を見たからなのかロイはエドを抱きしめて言った。
「もう、一人で心配する必要無いのだよ、そこで軽食を買ってきた。私の家で食べるか?」
「うん。」
ホントは、二人でレストラン…なんてベタな場所なんかでもよかったが、エドはロイと二人きりで食べるのも悪くないかな…と肯定したのだった。車の中で全く会話が無いのが気に食わなかったエドは、今度こそこちらから話しかけようと隣を振り向いた。
「ロ・・・」
見なければよかったとエドは思った、何かを考えていたのだ・・・それもとても辛そうな表情で。
「ロイ…どうしたんだよ?」
そう言うと驚いたようにエドを振り向いたロイは少し怪訝な表情をしていた。
「なんでもないが・・・」
「嘘だろそれ、あんたは考え事してる時そういう顔してるからな!」
ロイに向かってビシッ!と決めたエドは、そういった瞬間頬に熱が上がっていくのを感じた。
「ふっ・・・」
「何笑ってんだよ!」
「お前はホント可愛いな、私の悩み事なんて吹っ飛ばしてしまう…。」
「恥ずかしい顔できざっぽい台詞言うなよ・・・って!前々!!」
「え・・・あぁ?!」
そんな会話をしながら二人はロイの家に着いた。
「なぁ、ロイ…。アンタいつもこんな広い家にいんのか…?寂しくない?」
「は・・・?」
ロイは不思議そうに答えた。ロイの家は一人で暮らすのには余るほど大きかった。そんな家をエドはアームストロングの家以来初めて見た・・・ましてや、アームストロングの家は家族で暮らしている。それに比べ大佐は一人・・・そう一人ぼっちで・・・
「エドワード・・・?」
「アンタが一人でここにいるのが辛くないのは知ってる…けど、あんたにとっては余計なお節介かもしれないけど―オレ、こっち来るときはできるだけここに居たい。」
「おや、アルフォンスは良いのかね?」
「あのさぁ、オレもアルもいい年なの!そういうことは区切りついてるし・・・あと、アンタがアルのことアルフォンスって言うのなんかヤダ・・・」
「ふっ・・・君は弟まで嫉妬するのかね?」
「あ~また笑った!もういいよ、バカ大佐」
不貞腐れたエドの耳元に優しく
「すまない・・・好きだよ」
と、ロイが呟くと耳元が真っ赤になりエドが振り向いた。
「るっせ・・・オレもだ」
「食事にしようか」
「え、あ?うん!台所借りるな!」
「・・・料理できるのかね?」
「できるに決まってんだろ?どうやって食うんだよ、旅の途中で!」
「アルフォンスが作るのかと・・・」
「・・・オレがなんでも出来ないような奴に見えるか?」
「残念ながら・・・」
「なんだよその顔っ!」
そんなロイを横目に見ながらエドは買ってきた食材で簡単な料理を作っていた。実を言うと、料理はあまり得意じゃなかったエドは試行錯誤を繰り返しながら何とか人が食べられる味にしたのだった。こんなことなら錬金術を使えばよかった・・・と、エドは思ったが完成したそれを見て自分が作った、この手でそれを生み出したというのがとてつもなく嬉しかったのだ、作り終えて改めて思ったことがある。
「オレ、あと何回こうやってロイに料理作ってやれるんだろう。」
それまでに、料理上達してればいいな!と、自分で自分を元気付けたエドは、ロイのいるリビングにそれを持って行った。
「おや?できたのかね?」
「おうよ!」
「・・・。」
「なに?早く食えよな」
ロイはエドが作ったそれを口に運んだ。お世辞にも美味しいとは言えない味だったが。ロイは不思議と
「うまいな。」
と、溢してしまった。それを聞いたエドは、顔を真っ赤に染め、それから蜂蜜色の瞳から大粒の涙を零していた。
「は、鋼の?」
手を肩に掛けようとした手を止めるエドはフルフルと震えた。
「どうした…?」
「ロイ・・・オレ、あと何回あんたにご飯作ってやれるのかな?」
「っつ・・・」
エドが顔をあげた瞬間発したこの一言には不安とそれから・・・ある種の予言のような物だったのかもしれない。不安そうなエドを見て困惑したロイは、気休め程度にしかならないと思ったが
「大丈夫、大丈夫だ。エド・・・君は私が守るから。」
「うっ・・・あり、が、と・・・ロイ」
ロイはエドを抱き寄せた、何かが吹っ切れたようにエドは安心してまた涙を流した。その涙が頬を伝い床を濡らした。
「ほらほら、泣いてばかりいないで。キミも食べたらどうかね?」
「ん・・・。」
頭をなでられながら、自分が作った食事を口に運んだ。
「まずい…」
ムスッとした表情で言った。さっきまでの涙はどこに消えてしまったのかと思うような表情であった。
「アンタこんなの美味しいって言ったけど・・・それ本心?」
「味なんか二の次だよ?君の心が籠っていれば何でもおいしいさ。」
作品名:lost heven 02 作家名:空音