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lost heven 02

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「!まさか・・・」
「十分有り得る話だ。父親の研究を否定され、その父親が彼と会ったときから行方不明・・・彼は、自ら人体錬成をしたと言っていたが・・・そんな事があったら最後に会った人物に復讐してやりたいと思うのは普通だろう。」
「確かに・・・そうですけど」
何か言いたそうにしているリザの肩に手を置いて
「君はもう寝なさい。明日も恐ろしいものを見る」
と、言ったロイに思い切りリザが平手打ちした。
「恋人がいるのに、気軽に人に触らない方がいいですよ。エドワード君は嫉妬心強そうですからね。」
キッと、リザはロイを一睨みし出ていき、頬に手を当てながらロイはまた考えていた。
「エドが浮気したら、今度は印でもつけておくか」
そんな未来に思いを馳せながら、明日への希望をロイは探すことにした、そうでもしないと彼自身でさえ精神がおかしくなってしまうような気がしたから。
「く・・・ははっ、エドワード・・・」
ロイが、彼を求めて自嘲し始めたころ、エドもまたロイを求めていた。
「ロイ・・・後どれ位、どれくらいアンタに触れられないの・・・?感情を押し殺したくても殺せねぇんだよ・・・くそっ。」
エドが外に出て休もうとした瞬間、少年が銃を構えていた。
「よ・・・くも、兄さんを弟をやってくれたな!!」
まだいたかとエドは銃を構え撃つ。一発の銃声が静かの夜に響いた、その音がなくなった時には、金の少年は消え一体の屍が転がっていた。
それから幾日、幾週間・・・エドが担当した地域にはもう、屍が転がる地獄と化していた。また、ロイ達の担当した地域は、もう終わって来た処だった。
「マスタング大佐!緊急連絡です!!」
「君は?」
「私は、ルクと申します!鋼の・・・エルリック少佐の元に、ウラニウムの反応があるとのことです。」
「なに・・・?!」
立ち上がったロイをルクが止めた。
「今、部隊がD地域に向かっておりますので!!」
「そうか・・・、私も向かう!!」
「待って下さい!今行かれると・・・軍の上層部がストップをかけろと言われ、私はここに来ました!せめて、戦争が終わるまでここを離れるなとのことです、すいません。」
「そんな・・・しょうがないのか。ルク・・・君はってあれ?」
「それでは、大佐。この世界では、エドちゃん幸せにしてあげなよ?」
「は・・・君は?この世界?どういう意味かね?まちなさい!」 
そこには、もうルクの姿はなかった。
「・・・なんだったんだ?」
ロイは一人、ルクが出ていった扉を見つめていた。消えたルク、この世界そして・・・
「エドを、幸せに?どういうことだ。」
それがまた、ロイを悩ませるのだった。

愛涙
エドは、一人不安感に駆られていた。何かホントにありそうな気がしたのだ。
「何か嫌な予感がする・・・」
そう呟いた途端に、子供の気配がした。一人…二人…十人近くいる。
「この・・・やろぅ」
「お前は…殺すこの手で」
エドが外を覗くと、子供が発する殺気とは思えないそれを感じて身震いした。
「金の髪・・・エドワード・エルリック」
「こいつに殺されたんだ…、みんなみんな・・・」
周りの言葉一つ一つに身を揺らすエドは、目から溢れる涙を止め様としなかった。
「死んじゃえばいいんです!」
「お前らうるさいぞ。」
ドスの利いた声が、闇夜に響く・・・きっと、リーダーであろう。そいつは、一目見ただけで分かったあの物理学者と似ている。それに、自分より年が上に見える。こんなやつはリストに居なかったと思ったエドは不審げにテントから出る。その手にはつい先ほど錬成した槍を持って。
「ふ・・・くくっ。まさかぁ、自分からのこのこ出てくるなんてなぁ、エドワード・エルリック、鋼の錬金術師ぃぃ!!」
エドに向かってきた少年に槍を構えると、先ほどのリーダーとみられる男がそれを止めた。
「やめろ、奴を殺すのは父上たちが発見したあれでやるって決めていただろう…?」
「しかし、リジェ兄様」
男はリジェと言うらしい、リジェは赤く光る物体を巻いた投げナイフを取り出した。
「何を持っている・・・それを軍側に譲って…!」
エドは、足と手を子供たちに拘束されてしまい、体が動かせなくなってしまった。
「やめ・・ろっ!離せ、離せよ!」
「嫌だよ、軍の狗がほざくな。」
「お前は、たくさんの人を殺しすぎたんだ。オレ達の親・・・」
「私たちの家族、物理学を生業としていた私たちの一族を」
「みんな殺したんだ!!」
すべての言葉を聞くたび、自分を非難する言葉を浴びせられたエドは今まで抑えていたものがふっと切れたような気がした。目をつむりこれから受ける罪あながうこともせず、ただただ、目から溢れそうとして居る雫を止めようとしていた―たくさんの人々を殺した自分を、その遺族が咎めるのは解っていた・・・いや、解ってるつもりだった。けど、違ったんだ。
「・・・ごめ、」
いま、まさに謝ろうとしたエドの目の前にリジェが居た。
「泣いたら、誰かが許してくれるのか?錬金術師。お前は、才に恵まれ愛されていたから、幸せだったんだろう?なんで泣く必要がある?」
「涙は、神様に貰ったものなんだっけ?錬金術師にとってはさ。そういうのさ、僕たちから見ると異教徒なんだよね。」
「同じ人間だよね、私たちも貴方も・・・なんで私たちのお父さんを殺したの?」
「幸せに縋って生きているんでしょ?なら幸せそうに生きててよ!」
エドは、最後の少女に叫びを聞いて解った。
「・・・オレに幸せになってほしいのか…?」
「あ・・・当り前でしょう?!私たちの一族を殺しておいてのうのうと生きてるあなたなんて見たくない…見たくないけど、あなたが死んだら何のためにお父さんたちが死んでいったのか分からなくな・・・うっ」
「それ以上言うな!リヴィア・・・」
「アッシュ兄の言うとおりだよ・・・でもね、錬金術師これだけは言わせてリジェ兄は貴方を殺そうとしてないよ…?今のあなたはね。」
えっ…と、不思議気に訪ねたエドにアッシュと呼ばれた少年が答える。
「リジェ兄様は、お前が幸せだと思っているんだ。邪魔な物理学者を、片付けられて・・・幸せだと思ってるんだよ!」
「・・・それでも、」
エドは、決心したかの様に言葉を紡ぎ始めた。それは、本当は告げなければいけない、あの日の真実
「オレは幸せなんかじゃないんだ、あの日リジェの父親が出してきたあの爆弾を見たとき、怖かったし嫌だった。最初は、物理学も錬金術と一緒に発展していけばいいって思ったんだ。けど、なんでかなぁ、自分から命を落したんだよ」
「・・・え・・・!?」
「人体錬成したんだ、自ら。お前たちの父親とも思われるやつらを巻きこんでな。」
次々と体を拘束した子供たちが離れていく・・・皆、驚きを見せていた。ふいに、誰かが言った。
「じゃあ、あの人の言ったことは違ったの…?」
「そうだよ、あの人は金の少年・・・鋼の錬金術師がやったって」
子供たちが次々と落胆する中でリジェは、まだエドに敵意を向けていた。
「・・・なぜ」
「え・・・?」
「なぜ、父上を止めなかった!!」
「それは・・・」
「お前がやれと促したんじゃないか?その場に居たんだろう?」
「ちが・・・」
「ふっ・・・!」
「止めてよ、リジェ兄様」
作品名:lost heven 02 作家名:空音