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こらぼでほすと 留守番2

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 そして、甲斐甲斐しく黒子猫がクスリと水まで運んでくるにあたって、しみじみと、「俺は重病人じゃないのに・・・」 と、泣き言を呟きつつ横になった。当人としては、疲れなければ問題はない、と、自覚しているのだが、どうもそれだけではいけないらしい。


 別荘にいる時は、小一時間すると自主的に起きていた親猫は、二時間しても目が覚めない。ほら、みたことか、と、黒子猫は、はふう、と息を吐いて、洗濯物を取り込んだ。昨日は移動したので、昼寝していなかったし、それから、夜の食事の準備や、この家でやることの確認なんかで、夜更かしまでしていたのだ。起きていられるわけがない。
 とりあえず、洗濯物を畳んで、それから、境内でトレーニングをしていると、悟空が帰ってきた。
「ただいまぁー刹那。」
「おかえり。悟空、ロックオンは寝てるから、おやつはない。」
「おう、それじゃあ、俺がなんか作ってやるよ。刹那は、何がいい?」
「なんでもいい。」
 んーと、悟空もメニューを考えつつ、家に入る。野菜は、まだあったから、洋食焼きでもするか、とか、言いつつ普段着に着替える。ちゃんと、洗濯物は畳まれて、部屋に運ばれている。
「おまえ、キャベツむしってくれ。」
 包丁は危なそうだから、キャベツをむしらせることにした。小麦粉を水で溶いて、そこに適当に調味料を放り込む。それから、むしったキャベツとちくわを細かく刻んで、混ぜ合わせてタネにする。
 ホットプレートを熱したら、そこへ、そのタネを適当に流し込む。薄く伸ばしたタネは、すぐに焼きあがるので、ひっくり返して、じゅうじゅうとコテで押さえれば、いいこげ具合になる。
「これをだな、醤油かソースで食うんだ。」
 ひょいっと皿に、それらを載せて、ひとつを刹那に差し出した。さらに、悟空は、ホットプレートにタネを流して、次を焼いている。甘いソースがいいかな、と、それをつけてもらって、刹那は、それにかぶりついたら、とてもおいしかった。
「うまい。」
「そうだろ? これ、簡単で腹が膨れて安上がりなんだ。」
 ふたりして、焼きあがるのを、ばくばくと食べていたら、ドタバタという足音と共に、ロックオンが現れる。
「あ、おかえり。すまねぇー寝坊した。」
「ただいまーロックオンさん。別に、いいさ。それより、ちょっと食べない? 」
「それ、なんだ?」
「洋食焼きっていうんだ。俺のおやつって、こんなもんだからさ。」
 いつもなら、夜のバイトがあるわけで、ここで適当に詰めて、それから、店で、おやつとかご飯を食べる。だから、簡単で早いおやつになるのだ。
 はふはふと、ロックオンも味見して、「いけるな。」 と、感想を漏らす。『吉祥富貴』でも、おやつは作っていたが、ホットケーキとか、スパゲッティとか、そういう感じだったから、こういうものは新鮮だ。
「けど、これ、全部作って食べたら、晩飯が入らないだろ?」
「うんにゃ、俺は入るね。刹那は無理かもしんないから、適当でやめとけ。買い物行く? ロックオンさん。」
「そうだなあ。肉か魚が足りないと思うんだが、案内してくれるか?」
「うん、いいよ。じゃあ、これ食ったら、買い物な。刹那、腹八分目だぞ。」
 じゃあ、メシだけ炊いておこうか、と、ロックオンが用意する。その後を刹那はついていこうとして、ロックオンに止められた。
「おまえは、悟空と食べてろ。それから、洗濯物を畳んでくれてサンキューな。でも、明日からは起こしてくれよ? 」
 ぐりぐりと頭を撫でられて、それから、悟空のほうへ追いやられている刹那を見て、やっぱ、おかんだよなあーと、悟空は、ちょっと羨ましく思った。うちでは、洗濯物なんて畳んで当たり前で、三蔵に礼を言われたことはない。



 しばらく、悟空もバイトは休みなので、のんびりと散歩がてらに買い物をして戻ってきた。おやつというには、重いものを食べているから、作る時間はたっぷりある。悟空のほうは、本堂で夜のお勤めをして、それから、適当に掃除をするというので、刹那に手伝いに行かせた。まだ、レシピが届かないから、ロックオンのできる料理なんてことになる。悟空は好き嫌いはないから、作るほうも楽なものだ。ただし、量は生半可では足りない。

・・・・まあ、これで刹那も釣られて食べてくれればいいな・・・・

 普段から、あんまり食べない黒子猫も、あの悟空の食べっぷりに少しは感化されてくれると有難い。
「ハーイ、ロックオン。私も一緒にディナー、オーケー?」
 オールセルフサービスな家なので、客も勝手に入ってくるのが決まりごとだが、いきなり、アイシャが現れたのには驚いた。
「アイシャさん? 」
「こんにちわ。」
「また、虎さんから監視頼まれたのか?」
「イイエ、子猫に会いにキタの。」
 そういえば、アイシャは、しきりと刹那に会いたがっていた。どうも、小さい生き物が好きなのだそうで、夫のアンディに頼んでいたのに、見せてくれなかったと、別荘でも愚痴っていたのだ。
「別にただの子供で、可愛くもなんともねぇーんだけど? 」
「それは、ロックオンの主観。ワタシは別ね。」
「まあ、いいか。今、悟空と本堂の掃除してる。」
 それなら出向こうと、アイシャはいそいそと、台所から出て行く。人数か増えてもいいんだけど、なんか、俺が留守番している意味って、あるんだろうか、と、ちょっと疑問に思ったロックオンだ。

「明日は、ワタシの料理ネ、ロックオン。」
 食事が終わってから、アイシャが、そう提案した。アイシャの料理に、刹那は興味があるらしい。アイシャたちが地球で過ごしていた地域と刹那の生まれた地域が近いので、故郷の料理に近いものであるらしい。
「オサカナのシチューというのがアルの。セツナは好き? 」
「たぶん、食べていた。」
「そう、それならツクリましょ。ロックオン、夜はワタシ。オーケー?」
「ああ、それは有難いけどいいのか? アイシャさん。虎さんのほうは? 」
「アンディは明日から、ラボよ。」
 週に一度か二度、虎はラボに泊まっている。だから、奥様は暇であるらしい。
「セツナ、ほんと、カワイイ。悟空と並んでると、なおイイわ。」
「ただのガキだと思うんだけどなあ。可愛いかな? 」
「あなたは、いつも見ているカラわからない。」
「そういうもんかな。」
「刹那は可愛いと思うぜ、ロックオンさん。俺、こんな弟欲しいよ。」
 ばくばくと残り物を片付けている悟空も同意する。無口なので無愛想に思われているが、実際は、とても優しい。今日も、なんだかんだと悟空の用事を手伝ってくれていた。年下の友人というのが、悟空にはいなかったから、とても新鮮でもある。キラは、ちょっと年上だけど、悟空にすると手のかかる弟みたいな感覚なのだが、手伝いはさせられない。『破壊魔』の異名を持つキラは、生活家事能力なんて皆無だからだ。
「仲良くしてやってくれな? こいつも、年相応のことをしたことがないからさ。」
 いろいろと一般家庭でやりそうなことは、ロックオンもやるように心がけているが、保護者とやることと友達とやることは違う。せっかく、それができる環境なのだから、刹那やティエリア、アレルヤにも、それをさせてやりたいと思っているのだ。
作品名:こらぼでほすと 留守番2 作家名:篠義