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ただのものかき
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最高の親友(ライバル)

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普段兄からはまずもらえないであろう高評価の言葉。
どうせならこの兄からもらいたかったという思いもあるが、その兄と肩を並べる存在に認められたという事実。
その事実に、ユリにいつもの自信と明るさが戻る。
その事実に素直に喜んでいたがゆえに気づかなかった。


――――――――この時の二人の笑みに、どんな意味があったのか――――――――


リョウ「さあ…ここまで来たってことは、そういうことなんだろ?」
テリー「ああ、そういうことだぜ」
ユリ「?」

その言葉が何を意味するのかが分からず、ただ疑問を顔に貼り付けるしかできないユリ。
しかし、その疑問はすぐに解消することになる。


――――――――ここまでの和やかな雰囲気が一瞬にして、張り詰めた緊張感に包まれたから――――――――


もう言葉はいらない。
言葉などなくても分かる。
これから、この二人がどうするのか。

リョウ「ここだとヘタに壊されたりしたら困るから場所を変えようか」
テリー「ああ、俺もそう言おうと思ってたところだ」
リョウ「ウチは貧乏道場だからな。頻繁に修理できるだけの金なんかないしな」
テリー「かといって俺に請求されても、俺も金なんかないしな」

会話そのものは笑いあいながらの冗談の応酬にすぎないが…。
すでに二人がその身にまとう雰囲気が語っている。
すでに、準備は整っている、と。

ユリ「(す…凄い。二人とも普通に笑ってるだけなのに…こんな、押し潰されそうな重圧(プレッシャー)が…)」

その二人のそばにいるだけで、密室の中の壁が自分に迫ってくるかのような重圧。
それなのに、当の二人は意にも介さずに向き合っている。


――――――――これが、戦うってことなんだ――――――――


『稽古』という、修行の場でもなく。
『大会』という、競技的な場でもなく。
ただ、戦う。
己の全てを賭けて。
恐ろしく単純(シンプル)で、恐ろしく過酷。
これまで、『稽古』『大会』という場での戦いしか経験のないユリ。
そのユリにとっては、この二人の『戦い』は、まさに未知の領域となろう。

リョウ「さあて、行こうか。『伝説の狼』」
テリー「ああ、『無敵の龍』」
テリー・リョウ「「俺たちの戦場(ステージ)へ」」

神々しい美しさすら感じさせる微笑を浮かべながら、二人の闘士が自らの戦場(ぶたい)へと足を進める。

ユリ「(怖い…でも、でも見てみたい…あの二人の戦いを…)」

震えの止まらない足に渇を入れ、その闘気に押されながらも、ユリは二人の後を追う。