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ただのものかき
ただのものかき
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最高の親友(ライバル)

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リョウ「虎煌…」

構えた右拳に闘気が収束される。
虎煌拳。
極限流空手の技のひとつで、収束させた闘気を撃ちだし、相手を攻撃する技。
しかし――――――

テリー「Charging(チャージング)!!!!」

素早い踏み込みから強烈なタックル。
パワーチャージ。
主に連続攻撃に使用される、テリーの必殺技の一つ。
それが、虎煌拳の出掛かりに――――――


ドガアッ!!!!!


リョウ「ぐああああっ!!!!!!」

カウンターでパワーチャージを食らってしまったリョウの体が空高く舞い上がる。
さらにそこから――――――

テリー「Beat Up(ビートアップ)!!!!」

強烈なニーキックを繰り出しつつ飛び上がり、そこから拳を打ち下ろして浮き上がったリョウの体を叩き落す。


ズガアアアッ!!!!!!!


リョウ「ぐおおおおおああああああああっ!!!!!!!」


ドゴオオオッ!!!!!!!

空中で打ち落とされたリョウの体が、そこに向かって投げつけられたボールのように地面に叩きつけられる。
パワーダンク。
得意スポーツであるバスケットボールからヒントを得た、主に対空迎撃に使用するテリーの必殺技。
二つの必殺技を駆使した、破壊力抜群のコンビネーション。

テリー「いくぜ!!!!」

そこからさらに畳み掛けようと、狼が猛然とダッシュして接近していく。
退くことを知らない――――
攻め抜くことしか知らない。
この狼には、攻め抜くことしか存在しない。
並の格闘家ならば、背筋を凍らせるほどの恐怖を味わい、退くことしかできない――――
途轍もないほどの重圧(プレッシャー)を身に纏い、前進していく。

リョウ「く…」

ようやく半身を起こした時には、すでに間近にまで迫っていた。


――――――――牙を剥き襲い掛かる、猛り狂う狼の姿が――――――――


このまま畳み掛けられると、もはやどうすることもできない。
だが、この『無敵の龍』にも、後退の二文字は存在しない。
相手が襲い掛かるなら、それを逆にねじ伏せる。
優しさの中に秘めた、猛き龍としての闘争本能。
全ての枷を解き放ったこの男に、後退は似合わない。

リョウ「虎砲!!」

テリーが畳み掛けるよりも一瞬早く起き上がり、即座に迎撃の態勢を取る。
先ほどもクラックシュートの威力を倍返しした虎砲を用いて。
だが――――――

テリー「Bingo(ビンゴ)!!!!!!」


ドガアッ!!!!!!


リョウ「ぐふうっ!!!!!!!!」

身を沈めてそこから伸び上がりつつ背中で攻撃、そこからさらに


ガガガガガガッ!!!!!!!


リョウ「ぐわああああああああああああああっ!!!!!!!!!!」

天空を貫かんが勢いで上昇し、荒れ狂う竜巻のごとくリョウの体を飲み込み、攻撃する。
ライジングタックル。
テリーが最も信頼する返し技であり、その破壊力は抜群。


タッ………ヒュウウウッ………ドサッ…


リョウ「ぐ…」

完璧な迎撃のタイミングだったにも関わらず、さらにその上をいった『伝説の狼』。
またしてもリョウの体が重力に従って地面に落とされることに。

リョウ「(な…なんて男だ…カウンターを狙っていたところに逆にカウンターを仕掛けるなんて…)」

カウンターをカウンターで返す。
言葉にすればただそれだけのことなのだが――――
あの刹那にそれを実行するということがどれほどのことか。
教えてできることでも、教わってできることでもない。
だが、目の前の狼はそれを易々と、しかもためらいなくやってのけた。
その事実に、また龍の体が震える。

リョウ「(すごい…すごすぎる!!!!俺は、これほどの相手とこれほどの戦いができることにこれまでにない喜びを感じている!!!!)」

無意識のうちにその枷を解き放ち、ただ本能の赴くままに戦っている。
それでもなお、立ちふさがられるほどの強さが、目の前にある。
終わらせたくない。
この最高の戦い(かたらい)を。

リョウ「う…おおおおおおおおおおっ!!!!!!!」

龍の咆哮が激しく響く。
ここまでに受けたダメージは決して少なくはない。
むしろもう倒れていてもおかしくはない。
だが、そのダメージを凌駕する闘争本能、そして闘争心が。
彼の肉体を支え、立ち上がらせる。

テリー「(あれでなお立ち上がるか!!!!それでこそ『無敵の龍』…これほどの相手と戦えることに血液が沸騰しそうなほどに喜びを感じるぜ!!!!)」

決定的かと思われたダメージから立ち上がるリョウ。
まだ、この戦い(かたらい)は続く。
自身の枷を解き放ってもなお立ちふさがられるほどの強さと向かい合うことができる。
攻めることしか知らない狼の猛り狂う前進は続く。

テリー「Burning(バーニング)!!!!!!」

青白く煌く炎に包まれた拳が唸りをあげて襲い掛かる。
最も得意とする必殺技、バーンナックル。
数多の強敵を倒してきたその拳が、龍の喉笛を引き裂こうと迫る。

リョウ「(今だ!!ここしかない!!)極限流奥義!!!!!!」
テリー「な!!…しまっ…」


ズガアッ!!!!!!


テリー「ぐああっ!!!!!!」

すでに半死状態の肉体から繰り出されるのは、極限流最高峰の奥義。
その名は、龍虎乱舞。
リョウ自身研鑽を重ね、練り上げてきたその奥義が今、目の前の最高の強敵を飲み込む。
まさに、龍の顎が獲物を飲み込むかのように――――――

リョウ「いくぞ『伝説の狼』!!!!!!!!!」

狼の拳を正面から飲み込み、龍の怒りが爆発する。

テリー「ぐはっ!!!!!!」
リョウ「オラオラオラオラオラオラア!!!!!!!!」


ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ…


テリー「ぐ、がああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

閃光のごとき速さ――――
一撃一撃が恐ろしいほどの速さで狼の体に襲い掛かる。
その速さと破壊力が、狼の体を徐々に浮かせていく。
龍の逆鱗に触れた獲物が、その顎に飲み込まれていくかのように。

リョウ「もらったあああああああ!!!!!!!!!」

その猛り狂う怒りの集大成ともいうべき攻撃が、狼を狙い撃つ。


ゴガアアアアアアアアアンンンンンンンン!!!!!!!!!!


テリー「うあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」

その拳が天空を貫かんとする。
まさに、滝を昇りきった鯉が変化した龍のごとく。
その龍が、天を昇るがごとく。
狼の体が、天高く舞い上がる。


ヒュウウウウウウウウウウウウウ………ドサアッ…


天に昇ろうとする愚かな人間が神の怒りを買うがごとく――――
その体がその怒りによって突き落とされるように、地面に叩きつけられる。

リョウ「ッ!…ハア…ハア…ハア…」

しかし、満身創痍の状態で究極奥義まで放ったリョウの肉体も、すでに限界を超えつつある。
それでも、一瞬たりとも気を抜かない――――
いや、抜けない。
なぜなら――――

テリー「う…ぐ…」

『伝説の狼』の闘気は消えていない。