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ヤンデレ

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「サイケさん、今日はこのくらいにしませんか?」

学天が後ろにいるサイケを振り返りながら、へにゃりと笑う。

「そうだねー。がっくんは歌いっぱなしだったし、つかれちゃった?」

サイケは微笑を零すと、小首を傾げた。そのサイケの姿に学天は首を横に振る。

「僕は平気ですけど、サイケさんは僕に付き合わせてしまっていますし・・・」

「俺はね、がっくんの歌を聴けて幸せなの。それに俺が合わせられるなんて、すっごく嬉しい」

サイケはそう言うと、学天をぎゅっと抱きしめた。学天も頬を染めながら、サイケの胸に背中を預ける。

「サイケさん」

「んー?なーに?がっくん?」

「ずっと、一緒にいて下さいね」

「ふふ、もちろんだよ」

学天は幸せで、嬉しくて、その感情のまま笑みを零した。
その時、一瞬だが学天の背筋に悪寒が走る。すぐに意識をプログラム全体に広げ、何かあったのか探りを入れた。
学天の態度をサイケは瞬時に理解し、同じく意識をプログラムに広げる。

「サイケさん、今・・・」

「うん、何かあっ、」

サイケの言葉が途中でとぎれ、学天は強い力で引っ張られた。
あまりの衝撃に学天はむせる。そして瞳が視界を認識すると、学天の瞳が恐怖で見開かれた。

「あっ、あっ、」

断片的な声しか出てこない。学天の目の前には白いスーツを着たデリ雄の歪んだ笑みが。
デリ雄は学天は片腕で抱きしめると、もう片手をヘッドフォンに置く。

「学天捕獲完了。これより破壊プログラムに移行する」

静かにデリ雄がそう言うと、彼の足下に腹を抱えて蹲っているサイケの横っ腹に白い靴を置いた。
学天は一瞬、何が起ったのか理解できなかった。耳に痛い音がこの世界を埋め尽くしていく。

「やめてやめてやめてくださいっっいやぁぁっっ!!」

学天は喉から引きつる悲鳴を上げながら、デリ雄の腕から逃れようと身体を捩り、サイケに向かって腕を伸ばした。

「サイケさんさいけさんっ!!!」

デリ雄は未だにむせて動けずにいたサイケの腹を力の限りに押しつぶしたのだ。それも何度も何度も。
バキバキというデータが壊れていく音が響く。真っ白なデリ雄の靴やスラックス、サイケのコートが血で染まっていった。
優しい声音を響かせていた学天の声は今や叫び声以外出てこない。

「サイケさんサイケさん!!やめてください!!これ以上やったらサイケさんが壊れちゃうっ!!」

学天はぼろぼろ涙を零しながら、己を抱きしめているデリ雄のワイシャツを握りしめた。
デリ雄はそんな学天を一瞥すると、サイケから足をどける。そして、酷薄な笑みを浮かべた。

「今すぐプログラム先を今から送るPCに転送しろ。そうすればこの保護プログラムを見逃してやる」

学天は唇を噛み締めた。それはつまり、ダラーズのデータを敵側に売り渡すと言うこと。己の仕事を誇りを捨て去ると言うこと。
学天はデリ雄のワイシャツを握りしめる指に更に力を込める。震える睫毛から涙がこぼれ落ちた。

「わかりまし、」

「駄目だっ!」

学天の言葉を血反吐を吐き、腹を押えながらサイケが遮る。血で真っ赤に染まった手でデリ雄のスラックスを掴んだ。

「がく・・・てん・・・をはな・・・せっ・・・!」

「・・・うざいんだよ」

デリ雄の蹴りが、今まさに壊れかけているサイケの腹にもろに入った。サイケの身体が吹っ飛び、真っ赤な血が当たりに飛び散る。

「いやぁぁぁっっっっ!!!!」

学天がなりふり構わずデリ雄の腕から逃れようと藻掻く。腕を、指を、サイケに向けて伸ばすけれど、デリ雄の腕力の前になすすべもない。

「・・・お前は、あんなやつを気にするんじゃねぇよ」

デリ雄は学天の顎を無理矢理掴むと、己の方向へと向けさせる。そしてサイケのために泣き叫ぶ口を、己の口で塞いだ。
舌先で学天の舌を絡め取り、学天を抱く腕に力を込めさらに身体を密着させる。

「んぐぅっ」

学天へ己の持つ情報を流し、彼が持つプログラム情報を抜き取る。

(学天の舌って甘いのなぁ・・・)

ただただ情報を送るだけの行為だったはずなのに、いつの間にか溺れている自分がいた。
もっともっと味わいたくてその度に、ピチャピチャと水音を響かせる。次の瞬間、ガリっという音と共に血の味が口の中に広がった。

「僕に触るなっ」

気丈に振る舞う学天に、デリ雄はゾクゾクと悪寒に似た快感を感じる。そしてデリ雄は口角を上げ嗤うと、学天の首に手刀を喰らわせた。

「なぁ、サイケ・・・。お前は守れなかったんだよ・・・。今度は、俺が学天を守る」

デリ雄はサイケを嘲笑うと、学天を横抱きにしてその場を後にした。


作品名:ヤンデレ 作家名:霜月(しー)