その部屋には白い箱がある
「俺はロックオン・ストラトス。これからよろしくな」
「あ・・・はい、僕はアレルヤ・ハプティズムです・・・宜しくお願い、します・・・」
初めて出会ったこの男にアレルヤは人見知りしていた。
がそれはすぐにロックオンの言葉に払拭されることになる。
「アレルヤ・・・いい名前だな」
「え・・・・・・」
「神への感謝・・・か」
辛そうに、苦しそうにロックオンは上を見上げる。
もちろんこの部屋の天井ではない、どこか・・・アレルヤもハレルヤも知らない空をロックオンは見上げる。
「・・・貴方は、なにに、感謝するんですか・・・?」
「・・・・・・。・・・生きていることに、かな」
「――っ」
優しげに笑うロックオンの暗い瞳にアレルヤは気づかなかった。
或いは気づいたが気にならなかったのか。
それ以上の衝撃が走ったのだから仕方ないのかもしれない・・・。
ハレルヤは今日も見つめる。
アレルヤの中から、アレルヤの見るものも見ないものも、すべてを見定める。
想定しうる可能性のすべてに目を向け、少しでもマシな物を掴み取るために。
理由はいつだって簡単なもの。
アレルヤを生かすため。
そのためなら・・・なんでも。
作品名:その部屋には白い箱がある 作家名:リヲ(スランプ中)