魔女と星と
ごろりごろりと転がり続けていたアキだったが。
「――このままじゃいけない!」
やがて意を決したようにベッドから飛び起きて、自室から出て行った。
幸いにも今日は家に母親がいる。
「ママ!」
「っ、ど、どうしたの、アキ」
あれだけのことがあったのだ、母親の態度はどことなくぎこちない。それでもアキはしたいことがあった。
「エムアイディーエスって、どこにあるか知ってる?」
「知ってるけど……行ってどうするつもりなの」
「遊星に謝りに行く」
母親からは、話は自分たちで着けるとかMIDSはここから遠いとか説得されたが、アキの心は動かなかった。
悪いことをしたのは自分であるし、何より自分が行きたいから行くと必死に訴えて、とうとう母親の方が根負けした。
地図と三輪程のバラの花束(家で育てていたものだ)と往復分の交通費その他諸々を手渡され、アキは喜び勇んで家を出て行った。